2013年2月28日木曜日

2月第4週の乗務日報~4乗務147点


何か、

この時期は不思議といろいろうまくいく

そんな気がする(マーフィーの法則か)

周りが、

みんなが悪くても、

俺だけはうまくいく

そう思える奴こそが、

この世界で勝てる

そう思うよね。

要はそれを、

どれだけ本気で信じることが出来るか(本気で嫌な奴になれるか)

やと思うよ。

17日から始まった2月の第4週は、

18月19火 21木22金

の4乗務

2月18日(月) 日照0.0 気温7.2~1.0 雨31.0
営収 33,970(19,640) 17(10)回 11.75(6.75)時間
MAX 6,470-5,350

月曜の雨は良い

という経験則はあったが、

まあ正しかった。

1発目で遠方があたったラッキーはあったものの、

総じて良く動いた。

夜は無線配車で乗車の高校生が、

「カラオケ屋さんまでお願いします」

「はい・・・でも結構(5千円近く)かかるよ」

「構いません。お母さんがあっちで待ってるので(払ってくれますから)」

「了解です・・・カラオケは何歌うの?(大きなお世話や)」

「やっぱ、ミスチルとか、マイケル(ジャクソン)とか・・・運転手さんは何が好きですか?」

「そうねぇ・・・河島英五とか、ブラックアイドピーズとか・・・(一貫性のなさで競うな)」

2月19日(火) 日照0.0 気温4.3~-2.0 雨0.5
営収 33,310(25,350) 15(10)回 10.50(6.75)時間
MAX 10,390-1,830

個人的な締め日のこの日は、

昼過ぎに、常連さんが

「ちょっと景気良いから(株で儲けたから)福原まで行って、柳筋(神戸のソープ街)ね」

なんていう仕事もあって、

前半は絶好調

今期はよく稼いだなぁ

と少し力を抜いたら、

後半はさっぱり・・・1万も出来ず

この仕事、手を抜いたらあかん

2月21日(木) 日照6.8 気温5.6~-3.6
営収 32,900(16,330) 18(13)回 12.00(7.00)時間
MAX 2,070-12,310

期初のこの日は、

前半はやはり良くて、

このところ病院が良い

ということで、病院に張り付く日々・・・(お前もそのうち病人になるで)

夜は遠方があたって、

グッドスタート

2月22日(金)A 日照2.7 気温7.8~-4.4
営収 47,550(15,450) 23(10)回 10.75(4.50)時間
MAX 2,550-9,350

昼間は神社へお参りへ行ったり、

 

夕方もしっかり休憩取って、

それなりに力抜いてたにも関わらず、

良いときは、良いもんやね。

回数も、あたりも文句なし

翌日から気持ち良く(?)4連休取れました。

4乗務計147,730(1乗務平均36,933)

2月大好き

2013年2月20日水曜日

2月第3週の乗務日報~5乗務155点


このところ、

眼がピクピクするなぁ・・・(眼が、眼がぁ!)

と思いつつ、大して気にもしていなかったのだが、

なかなか治らないので、

調べてみた

「眼 痙攣」で出てきたのが、

まず眼瞼痙攣(がんけんけいれん)

これは症状が進むと、

場合によっては眼が開けられなくなる

なんていう意外とやばい病気で、しかも

「放っておいても、治ることはない」

なんて書いてあって、少しびびったが、

よくよく調べてみると、

眼瞼ミオキミア

という病気の方がどちらかというと症状が近いようで、

それほど大した病気でないみたいで、

安心した(センテンス長いねんて)。

ということで、

2月の第3週は、

12日から 火水木金土

の5連勤

2月12日(火) 日照4.8 気温7.3~-4.2 雨10.5
営収 43,790(29,010) 18(10)回 12.00(7.25)時間
MAX 11,030-4,390

連勤の初日は、

いきなりブレイク

昼間は病院が良くて、

夕方には体温計の会社のチケットで遠方

夜は雨が降るもイマイチやったが、

通常冴えない火曜日のあたりは後々大きかった。

2月13日(水) 日照5.3 気温7.2~-2.4 雨0.5
営収 33,050(12,710) 18(9)回 11.00(5.50)時間
MAX 2,070-9,110

この日も、

良い流れを引きついで、

前半は病院で引っ張り、

後半も、まあ良かったな。

最後の乗り越し客がしきりに愚痴っていた。

「タクシーって、高すぎるよね。もっと安くしたら、みんなもっとタクシー使ってさ、運転手さんも儲かると思うよ」

そして俺は心の中で答えていた。

「こんなに高くても(他の交通機関がないから)乗ってるやないですか。逆に他の手段があれば、どんなに安くても乗らない。それがタクシーなんですよ」

2月14日(木) 日照7.9 気温11.1~-2.7
営収 23,500(9,600) 12(8)回 11.75(6.25)時間
MAX 2,070-8,230

バレンタインデーのこの日は、

日中春のような陽気で、気温も上がった。

しかしクリスマスイブといい、バレンタインデーといい、

恋人たちのイベント日は動きが悪い

この相関は実はしっかりと説明できる。

夜に乗った客の言葉

「こんな日(バレンタインデー)に帰り遅くなったら、かみさんに変な勘ぐりされても嫌やしね。早く帰ろうと思ったんやけど・・・(電車乗り過ごしてしまって)」

納得ですね。

2月15日(金) 日照0.0 気温6.4~1.8 雨6.0
営収 36,110(16,280) 16(11)回 12.00(7.25)時間
MAX 3,030-10,150

この日は、午前中に雨が降るも

午後には上がって、苦しい展開

それでも粘って、

最後はまた乗り過ごしの遠方

実はこの客が中小企業の若手経営者

マリーナ事業を後継された2代目(43歳)で、

いろいろと相談された。

「そのように自らの事業を積極的に人に話す姿勢こそが、前向きである証拠ですよ。必ずうまく行きますよ」

何故か上から目線の運転手

「・・・このタクシー代、経費で落とせますかね」

「もちろんです!(コンサルタント支払いにしておいてください)」

2月16日(土) 日照6.6 気温3.8~-1.8
営収 19,520(3,920) 14(4)回 9.25(4.25)時間
MAX 1,430-3,750

いきなり気温の下がった週末

ここまでの流れから、

今月は結構余裕があったので、

昼までまた子どものサッカー教室に顔を出して、

15時前の入り、

夕方からは雪もちらつく中

何事もなく1日が過ぎていった・・・

この仕事、少しでも手を抜いたら「つき」が飛ぶんよねぇ

うまく出来てるわ

5乗務合計 155,970(1乗務平均31,194)

良いスタートから尻すぼみの、消化不良の週やった・・・

まあ結果はオーライやけど。

2013年2月15日金曜日

2013年センター試験~現代社会編


2013年のセンター試験も(この写真は何?)

いよいよ最後の科目(何を盛り上げてるんや)、

現代社会

昨年はボロボロ(58点)やったが、

今年は、

さらっと86点(平均60.45)

まあ、毎年これほど難度が変わるのもどうかと思うが・・・

こういうのって、やってないとわからないんよね

内訳は、

第1問 経済1(農業、貿易など) 8/8問 22/22点
第2問 経済2(金融など) 5/5問 14/14点
第3問 政治 6/8問 16/22点
第4問 経営 5/5問 14/14点
第5問 社会、思想 4/5問 12/14点
第6問 国際問題 3/5問 8/14点

まあ、この辺も問題は勉強なんてしなくても出来るわね。

普通に新聞とか読んでたら、

ほとんど一般常識

どんな問題が出題されるかというと、

例えば、全然関係ない文章(現社の文章は読む必要がない)の「e政策」というところに線が引かれていて、

問題:下線部eについて、昨今巷で話題になっている「アベノミクス」とは、何を指す言葉ですか?

1.大阪阿倍野に新しく出来る駅ビル
2.過大ポストにおけるストレスを和らげる薬
3.住宅のノミを駆除する機械
4.安倍氏の掲げる経済政策(エコノミクス)

みたいな感じである。

答えは「4」ですね。

または、

問題:「アベノミクス」とは、どのような政策を指しますか?

1.大胆な金融緩和による経済刺激策
2.公的機関のトップに圧力をかける人事政策
3.円安と株価の上昇によって経済が自発的に上向いていく好循環
4.フェイスブックで批判を牽制するメディア戦略

答えは・・・難しいですね。

3科目の合計は・・・

国語 150点(200点)
英語 182点(200点)
現社 86点(100点)
合計 418点(500点満点)

目標は400点やったから、

まあ満足

センター試験は、

独立行政法人の大学入試センターという公的機関

によって行われているわけだが、

こういう問題を解くことによって、

国が試験を通して、

高校生に何を伝えようとしているか、

ひいては、

この国をどのようなものとして認識させたいのか

ということまで見えてきて、

非常に面白い

しかし何年も続けて受験しているので、

ちょっとした塾の講師よりずっと傾向見えてるつもりやけどね。

2013年2月14日木曜日

2013年センター試験~英語編


やっと英語に手をつけたが・・・

昨年は192点か

ちょっとハードル高かったな

今年は5問落としの182点でした

内訳は、

第1問 発音問題 7/7問 14/14点
第2問 文法 12/16問 29/41点
第3問 短文 7/8問 40/26点
第4問 長文1 6/6問 33/33点
第5問 長文2 5/5問 30/30点
第6問 長文3 6/6問 36/36点

平均点は119点やって

現役学生は一体何やってんやろね

どうやったら80点も間違えられるのか教えてほしいわ・・・(嫌な奴やなー)

ちょっと気になったのは、

第5問の長文に出てきた

"Tomo and Aki"

という映画

主人公のカップルが都会から田舎に移り住んで農業する

なんていう話らしいが、

ほんまにあるんやろか

調べてみよう。

なんと

Tomo and Akiで出てきたのは、

眠り系シンガー(・・・なんやねん、このカテゴリー)

そして問題の中で、この映画の原作者は、

Yukio Kodama

児玉幸雄さんは、

作家ではなく画家さんでした

架空の話かよ・・・

騙された

2013年2月13日水曜日

2月第2週の乗務日報~5乗務153点

この週は火曜日(5日)に、

タクシーメーター検査 

タクシーメーターは年に一度、正常に作動しているかどうか公的機関の検査を受けなければなりません。

これ明石まで往復ドライブするだけで、

バイト料2千円もらえるので、

その金で帰りに(今更)ブルートゥースのイヤホン購入

そして、この週の乗務シフトは、

日月 水木 土 

 という、金曜飛ばしの試練の並びやったが、

2月3日(日)A 日照8.6 気温9.8~2.9 
営収 20,460(6,670) 12(4)回 10.50(5.25)時間 
MAX 2,630-2,710 

日曜当番のこの日は、

15時前の入りで、 休憩なし(20時区切り)

特に何も起きなかったが、

20点は及第点でしょう。

2月4日(月)A 日照0 気温9.3~4.2 雨8.0 
営収 27,200(14,930) 16(8)回 12.50(7.25)時間 
MAX 2,630-2,790 

この日は、

社員旅行へ行った同僚の代わりの当番勤務

午前中はゆっくりスーパーボール観戦 

レイ・ルイスの雄たけび聞いて(レイブンズが49ズに勝利)

昼過ぎ(13時)の入り、

休憩なしで、

やはり何も起きなかったが、 27点は悪くない。

2月6日(水) 日照1.5 気温8.2~0.3 雨9.5 
営収 26,620(14,780) 13(8)回 10.00(7.50)時間 
MAX 4,310-4,390

この日は、

午前中に雨が降るも、

午後には上がり、

前半は好調やったが、

晩飯休憩中に、なんと車の鍵をなくしてしまい・・・ 

自転車で会社まで行ってスペアキーを持ってきて、

2時間くらいロスしたかな 

結局鍵は自宅のゴミ箱の中から見つかった(とんでもないな)。

2月7日(木) 日照2.4 気温9.5~ー0.6 
営収 33,190(23,200) 19(12)回 12.50(8.25)時間 
MAX 10,630-2,630 

この日は、

夕方にM駅から新神戸 

なんていう珍しい仕事があって、

いい感じやったのが、

夜はイマイチやった。

2月9日(土)A 日照3.9 気温3.9~ー4.1 
営収 45,870(15,900) 8(2)回 11.25(5.50)時間 
MAX 15,670-16,070 

この日は、

午前中はサッカー教室の手伝いで、

子どもとゆっくり昼飯食って、

15時の入り、

18時までワンメ乗車1回の600円しか持ってなかったが、

そこからロング3発、

最終は西神南

5乗務計 153,340(1乗務平均30,668) 

週の後半に向かってどんどん良くなっていく、

このところの株の動きのような、

気持ちの良い週やった(ドカ上がり前の週明けに株売ったんちゃうの?)

2013年2月8日金曜日

ちょっとお得な神戸情報


JR新神戸駅のタクシー(一般車?)降車場の目の前に、

トイレがある

うれしいね。

もう我慢出来ないとき、

お客さん降ろしてすぐに駆け込める

スープの冷めない距離って言うのかな・・・(いや、そういう使い方しない)

でも気をつけなきゃいけないのは、

降ろしたお客さんもトイレに駆け込んでいたら、

鉢合わせになって、

もうどうにも気まずい空気流れるよ


そして、お帰りは、

阪神大石駅近く、2号線下河原交差点近くの

ナダシンの餅 

めっちゃ美味しい饅頭屋さん

売り切れ御免のこのお店の、

本日最後の客は、ぼくでした

2013年2月7日木曜日

2月第1週の乗務日報~4乗務138点


乗務日報のアクセスが意外と多い

こんなもの読んで何が面白いんやろと思うけど・・・(ならアップすんな)

この週は月 水木金の4乗務

1月28日(月)A 日照3.5 気温4.6~-6.6
営収 22,780(7,040) 16(5)回 11.00(5.50)時間
MAX 2,550-2,390


この日は、11時半頃出庫するも、

1回目の乗車が13時40分

2回目が15時10分

みたいな、低調な流れで、

それでも夜は回数多かったし(11回)

それほど悪いイメージでもなかった。

1月30日(水)H 日照3.2 気温9.7~-1.5
営収 29,620(12,410) 18(9)回 12.00(6.25)時間
MAX 5,110-5,110

この日はH駅当番

出庫していきなりA駅から5千円超の仕事

その後は短いのを重ねて地上戦・・・

15時過ぎは停滞したものの、

夜はそこそこ動いた。

1月31日(木) 日照9.8 気温12.3~-4.0
営収 48,960(26,190) 19(10)回 13.00(8.50)時間
MAX 15,990-11,110

1月はビッグスコアが多かった。

この日は、夕方に枝吉の病院

夜も久々に製薬の仕事が当たった。

休憩室に10日ごとに張り出されるグラフで、

なんと1月下旬の部営業所トップ

何年ぶりやろ

常にネガティブオーラが漂っているタクシーの現場で、

俺のように、賢そうなイケメンが営収まで揚げてしまうと、

冷たい視線が飛んでくる

しかし、そういった視線にひるんでいたらこの世界生きていけない。

どんなにがんばっても、ダメなときはダメ

稼げるときに貯金を作って

悪いときに力を抜くのがセオリーやろね(なかなかうまく行くもんやないけどな)

2月1日(金)公出 日照2.3 気温13.8~-3.8 雨1.5
営収 37,070(13,620) 20(10)回 12.25(6.25)時間
MAX 4,070-11,270

ここのところ、書き入れ時の金曜日につまづくことが多かったが、

この日は何とかしがみついた感じ。

目標の20回乗せて、

最後も(乗り合い客)あたって、良い流れやった。

この週の後半くらいから、ぐっと気温が上がってきた。

しかしタクシーは、

夏はより暑く、

冬はより寒い方が儲かる

雪でも降ってほしいなぁ・・・

4乗務計 138,430(平均34,608)
 

2013年2月5日火曜日

2013年センター試験~国語編


毎年(頼まれてもないのに)やってるセンター試験

結構エネルギー使うわ

年々しんどくなっていくような・・・(脳が老化してるんやろな)

過去の結果は、

一昨年(11年)が172点

昨年(12年)が139点

そして今年は・・・

150点でした

平均点は101点やって

今年はちょっと難しかったかな

得点内訳は、

現代文(エッセイ) 42点 1問落とし
現代文(小説) 42点 1問落とし
古文 22点  5問落とし・・・
漢文 44点 1問落とし
※得点修正しました・・・(誰も気にしてないから)

古文のつまづきが痛かったな

邯鄲に・・・ってなんやねんこの字(消せよ)

簡単に問題解説していこう、

まず第一カテゴリーの現代文エッセイ

小林秀雄という作家の、刀の鍔(つば)についての話だった。

古代の戦乱の中で進化していく鍔が文化を創っていった、みたいな面白くもない話やった(そういうこと言うな)。

ちょっと難しかったかな

こういうのは読んだらあかんね、表面的に「流し見る」くらいの読み方をしないと方向がわからなくなる。

第二カテゴリーは小説

牧野信一さんの「地球儀」という話らしいが、

その全文が問題文とされている、ちょっと珍しいケース。

場面は主人公の祖父の法事。

父親との関係がうまく行かず、母親はその父親に振り回され、主人公は現在は自分で家庭を持ち、子供もいる。そして幼き頃の地球儀を通じた祖父との思い出話が挿入されている。

4世代を絡ませたホームドラマ(そういう表現するか)で、

まあまあ面白かった

問題文が「読める」ものは簡単に解ける。

第三カテゴリーは苦手な古文(苦手っていうか、勉強したことないやろ)

話は(おそらく)京から、ちょっとお偉い役人が地方へ下って、そこの下っ端の役人の娘に手を出してしまい。

「今晩もよろしく頼むよ、ヘッヘッヘッ・・・」

なんていう下品な内容を、かっこつけて短歌にして娘に送るみたいな話であった(ほんまかよ)。

しかし設問の選択肢の一つには、

物足りなかった逢瀬の悲しみを何度も思い返されて

なんていうものもあって、

高校生にこんな問題読ませるのかい!

ふざけんな(自分が点取れんかったからって・・・)

第四カテゴリーは漢文

漢文は得意やけど(勉強したことないのにな)、それでも今回は簡単やったかな。

時代は北宋(11世紀後半)、中国河南省から、黄州(現在の湖北省)に島流しにされ、

いつかは故郷に帰りたい

みたいな、よくある話。


センター試験のコツは、設問から読むことやね

いきなり問題文読んでも意味わからんかったりするけど、設問にかなり内容説明が含まれてるから。

次、英語がんばろ。


2013年2月2日土曜日

出会い系タクシー



かき集められた千円札・・・

ドライバーをしていたら、

日々車内で多くのお客さんとの出会いがあるわけだが、

ときに利用者同士の「出会い」というものもある

これは残念ながら「男と女」の話ではない。

タクシーの乗り合いというのは、基本的に運転手が奨励することは出来ないが、

利用者同士で話し合って「乗り合い」する分には、当然問題は生じない

この日、駅の乗り場で話し合って乗ってきたのは、

さわやかな20代男性と、

中間管理職っぽい50代の男性、

そして、黒ぶちメガネをかけた、見た目40代の男性の3名やった。

「いやぁ、助かりましたよ。みんな同じ方面で」

20代男性がうれしそうに言った。

「運転手さん、大体いくらくらいかかります?」

「えー、1万円・・・は超えるでしょうね」

こういう場合大体の目的地は聞いていても、それぞれの自宅まで行くことで結果的に遠回りになることが多いので、見積もりにくくなってくる。

逆に、何人かをそれぞれの家に送る仕事というのは、運転手にとっては比較的おいしい仕事である。

「ひとり3千円くらいで行けます?」

「いや・・・4千円くらい見てもらったら(何とかなるでしょう)」

「それでもなぁ、一人1万円もかかるところだったんやから、まあラッキーでしょう」

50代男性が言うと、

「そうですよね」

20代若者が応じた。

見た目40代(この男性だけ会話の中で年齢が出てこなかったので、「見た目」としている)の男性は助手席に座って、すでにカクカクと眠りかけていた。

「みなさん、あちら(の駅)で初めて会われたわけですね」

俺が聞くと、若者が答えた。

「そうなんですよ、こういうのって珍しいですか?」

「いや・・・よくあるわけでもないですけど、まああると言えばありますよね」

泥酔の度合いとしては・・・マックス10として、20代が3、50代が6、40代が9ぐらいの感じである。

「いやぁ・・・あそこまで乗り越したのは初めてやわ」

50代が言うと、

「・・・」「・・・」

残りの2人は沈黙

「ということは、お2人とも何度かあそこまで・・・(乗り過ごした経験があるんですか)」

「ハハハ・・・」「カクンカクン・・・」

どうやら20代は(乗り過ごし)経験ありのようだが、助手席の40代は半分寝ていて聞いてなかっただけのようである。

そんな状況から、

会話は、主に後部座席に座った50代と20代で進められていった。

「(家は)どちらなんですか?」

若者(20代)が聞くと、

「XX台のあたりですわ。運転手さん、山の方から行ってもらえます?」

「わかりました・・・お二方は?」

俺が聞いた。

「市役所のあたりです」

若者が答えると、

「わたしは・・・山を降りたあたりです!」

寝ていたと思っていた助手席の40代が、半ば叫ぶように言った。

一体どこの「山」のことを話してるんやろう・・・(夢で登山してるんやないかと思うよな)

少し心配になったが、

 「それなら(近道の)山の方から行きましょうか」

とルート決定した。

助手席では、先ほどの発言が信じられないくらいにスヤスヤと寝息が聞こえていた。

「それにしても君若いね、歳いくつ?」

後部座席で、管理職風の50代が若者に話しかける。

「28です」

「28か!いやぁ・・・いいねぇ。これから楽しいことぎょうさんあるやろなぁ」

うーん・・・俺も40近くなると、そうやって言いたい気持ちはわかるが、

自身が20代後半になったときは、

もうこんな歳になってしまった

と思ったものだが、

「いや、もうそんなに若くもないですよ。仕事が楽しくなってきたら、『やばい・・・(歳取った)』と思いますよね。ハハハ」

「『仕事が楽しい』か。いいなぁ、いいこと言うねぇ。ところで、ご結婚は?」

「仕事が楽しい」の一言にすっかりこの若者を気に入ってしまったらしい、この50代の男性は、おそらく職場であまり空気の読めていない部長さんという感じである(何を根拠にそういうこと言うかなぁ・・・)。

「まだ独身です」

「独身?そうか!実はわたしね、29になってまだ結婚できない娘がいるんですよ」

部長やっぱり見た目よりかなり酔ってるのかなぁ

ストレートすぎるでしょう

もし万が一・・・ほんまに「万が一」やけど、この若者が娘さんに興味を示したとして、一体なんて説明するんよ。

「実は酒飲んで電車乗り過ごしたときに、タクシーの中で28歳の感じの良い青年と出会ったんだ。会ってみないか?」

そして万が一、万が一やけどその縁談がうまくいったとき、娘さんは馴れ初めを聞かれたら、

「父がお酒飲んで電車乗り過ごして、タクシーの中で今の主人と出会ったのが始まりなんです」

いや俺タクシー運転手やけど、そんな「始まり」いややなぁ。

しかし幸か不幸か、わかっているのかいないのか、若者の答えは素っ気なかった。

「そうなんですか」

すると突然、寝ているはずの助手席の男性が、

「私も独身です!」

と叫んだ。

俺を含め車内は異様な空気に包まれた。

恐る恐る、隣りに目を向けると、

何事もなかったように、頭を垂れてスヤスヤと眠っている

こういうとき、驚きの次にこみ上げてくる笑いを抑えるのは運転手をやっていて最も苦しい時間の一つである。

ここで笑ったらやぱい

俺と、恐らく後部座席の若者も同じ気持ちやったやろう。

車内にしばし沈黙が流れた

うまく流したはずやったKY話をやり過ごすためなのか、

若者はちょっと話を変えた。

「この辺(に住んでるの)は長いんですか?」

部長さんは虚を突かれたように、

「えっ?いや・・・結婚してからはずっとこっちやから、30年近くなるかな。出身は奈良やけどね」

「そうなんですか。それなら奥さんがこちらなんですか?」

「そうやね、元々はね。今はあっち(奥さんのご両親)も岡山に越してしまったけどね。君は?」

「ぼくは生まれも育ちも兵庫県です。大学もこっち(関西)でしたけど・・・今度実は東京に転勤になったんですよ。4月から」

はぁー、もうそういう時期になったか。

転勤組って、何かとタクシーに乗ることが多いみたいで年度末になるとこういう話よく聞くんよね。

「そうか!東京か・・・いいねぇ」

これで部長も娘の縁談はとりあえず諦めたやろう。

「東京とか、(勤めた)経験あります?」

「わたしも何年か広島で仕事したことはあるからね。でも、やっぱり東京は違うよ」

広島って・・・全然反対やん。

東京を語るにあたって出す話やない気がするけど。

「違うって・・・どういうことなんですかね」

どうやら若者は真面目に人生の先輩の話を聞きたいようである。

年齢的にも環境が変わることに恐らく不安を感じているんやろう。

「うん・・・ところで君はどういう仕事をしているのかな?」

「経理です」

なんかかみ合ってないなぁ。

この場合部長は「仕事の内容」を聞いたんやなくて、「業界」を聞いたんやないの?

「そうか・・・東京が何が違うかって、やっぱり市場が大きいからねぇ」

東京が「(関西に比べて)市場が大きい」のは確かやけど、

経理の仕事にマーケットボリュームはあまり直接関係ない気がするけど、

恐らく部長は営業職なんやろね。

「市場が大きい、というのはどういうことなんですか?」

この質問もどうかなぁ・・・聞かんくても、そのまんまの意味やないの。

「市場が大きいというのはねぇ・・・やっぱり人口が多いっちゅうか・・・・」

後部座席の会話も行き詰まってきたなぁと思いつつ。

とりあえず最初に降りる予定の目的地に近づいてきたので、

「えっと・・・この辺ですかね」

運転手が会話に口をはさむ。

「あっ、悪いけど(遠回りになるけど)ちょっとその信号右に曲がってくれる?」

「はい、わかりました」

「雨降ってるし、ごめんね。家(マンション)の前まで付けてくれる?」

別にどの道を取ろうと、俺には関係ないわけやけど、

「この辺でよろしいですか?」

「うん、ありがとう」

そして部長は若者に4千円を渡す。

「東京でもがんばってな。これ、少ないけど取っといて」

なんか餞別みたいに言ってるけど。

それ、普通に割り勘のタクシー代やん。