2013年12月19日木曜日

知っておいてほしいこと


知り合いと話をしていて、

「タクシー運転手って基本的にバカにされてるから・・・」

なんていうことを言うと、

「えっ?そんなことないやろ」

とか、

「そんなん全然知らんかった」

・・・はっきり言ってその後の言葉が出てこなくなるっていうか、

正直言って、

「バカにすんな!」

って叫びたくなるんよね。

こういう奴らは、

(タクシードライバーに対する差別を)知らないふりをしているか、

またはタクドラに関する問題に全く興味がないのかのどちらかであろう。


そういう意味では、

最近話題になっているあるジャーナリスト(名前も書きたくないわけね)の、

気持ちの良いツイートをここで紹介しておこう。

 今日もタクシー降りるとき「開けないで」といったのに勝手にドアを開けられて「オマエ日本語わからないのかよ」と怒鳴らねばならなかった。外が寒いのはバ カでもわかる。決済の前に勝手に開けられたら寒い。こんなの客が言うまでもないサービス業の基本だが、世界一高い料金をとるくせに移民より無能。

政府は、日本のタクシードライバーにはっきり言うべきなんだ。「君らは本来は失業者で、他の先進国なら移民がやる仕事だが、国の移民政策によって職を得ら れている。割高な運賃を払っている国民にもっと感謝し、運賃に見合った自国民にしかできない世界最高のサービスを提供するよう精進しなさい」と。

 ただ、いつも葛藤があるのは、一部のバカ運転手のせいで全員をバカとして扱うのは悪いな、という感情だ。だが、もうこれだけ不愉快な思い続くと、最初から全員バカと思って大声で怒鳴って伝えるしかないね。


この人、とんでもない奴やと思いますかね?

タクシーの運転席に座らないとわからないやろね。

口には出さないけど、こんな連中ばかりですよ

夜にスーツ着てタクシー乗ってくる客って。

だから逆に上のように、

「(タクシードライバーに対する差別なんて)全然知らんかった」

て言う方がよっぽど不自然で腹立つんよね。

まずこういう差別がある

そういった現実を認識してもらった上で、

我々は闘おうとしているわけですよ

必ず変えてやるって

だから知っておいてほしい

というか知っていると思うから、

しっかり認めてほしいんです。

2013年12月12日木曜日

2014年イエローキャブカレンダー

 
 City hacks are cutting into the market of sexy calendars once dominated by the  FDNY with a new calendar by freelance photographers Phil Kirkman and Shannon McLaughlin.

このカレンダーいいね・・・

http://www.nydailynews.com/new-york/taxi-drivers-sexy-calendar-article-1.1542992

14.99ドルか(円安で1550円くらいか)

買ってみようかな

東京のドライバーさん

来年日本版作りませんか?

僕も載せてください(そんなことより特措法について書け)

2013年11月19日火曜日

どの会社が一番稼げますか?


先日コメントで、面白い質問をもらったのだが、

東京4社で、どの会社が一番稼げますか?

非常にストレートでシンプルな質問だが、

不思議とあまり考えたことがなかった。

自分は、地域が違う(関西)ので答えられないが、

地域が違うからこそ、

こういったぶっちゃけ質問をブログに挙げることが出来るのではないか

と思って、やってみました。

ちなみに先日日経にこんな記事が出ていたが、

 http://www.nikkei.com/article/DGXZZO61377660R21C13A0000000/

全国のタクシーはざっくりと約25万台

東京のタクシーは(ハイヤーを含み)約5万台

法人タクシーに絞れば、約3万台

そのうち4社(大和、日本、帝都、国際)が約1万台、三分の一を占める。

メディアなんかの露出は最近はもっぱらN社が多いのだが、

実際はどうなんでしょう?

東京のドライバーさん教えてください

もし自分が東京で乗るなら、

小さくて良い会社で乗れたら良いなぁ

なんて思ったりもするのだが・・・(特措法改正で小さいとこはこれからさらに厳しいで)、

そんな情報もあれば是非教えてください。


2013年11月12日火曜日

深視力検査

コメントでも頂いたけど、

2種免許の試験で意外と難関なのが、

この深視力検査なんよね。

下のように動く3本の棒が1列に並んだところでボタンを押すわけだが、



実際はこんな簡単に見えない(長さが一定やから難しいんやんな)。

いろんな人の話聞いたら、

これで苦労してる人結構多いんよね(後ろ向きな安心感ね)

しかし、ネットってすごいね。

youtubeで検索したら、



こんな攻略法みたいな動画もあるんやね。

いやぁ、参考になりました

2種更新では毎回やらなあかんから・・・(いつも奥まで再試験連れて行かれるからな)

2013年10月22日火曜日

減車法案


 タクシー減車法案、自民部会が了承 月内にも国会提出

 自民党の国土交通部会は22日午前、国が指定する地域でタクシー事業者に減車を事実上義務付ける法案を了承した。法案は公明、民主両党とも大筋合意してお り、月内にも今国会へ議員立法として共同提出する。2002年にタクシー業界の新規参入と増車が原則自由化されたことで生じた過剰競争を是正する狙いだ が、規制緩和に逆行するとの批判も出そうだ。

 法案は都市部など競争が激しい地域を「特定地域」に指定し、新規参入と増車を3年間禁止する。地域内の事業者らで構成する協議会が減車計画を作成し、この計画に基づく減車は独占禁止法の適用から除外する。協議に参加しない事業者には国が減車などを勧告・命令できる。
 「特定地域」に指定されるのは全国で70~80カ所とみられる。今国会で成立すれば、来年4月から施行される方向だ。
 タクシー業界は規制緩和によって台数が増加し、1台あたりの売り上げが減少している。09年に事業者に自主的に営業車両を減らすよう促すタクシー適正化・活性化特措法が成立したが、減車に応じない事業者がいたため業界から規制強化を求める声が出ていた。
(10月22日日本経済新聞記事より)


いよいよ新たな減車法案が明らかになるわけだが、

今回は「特措法の改正」という従来の形でなく、

タクシー新法が制定される見込みである

とりあえずは内容を見て、お手並み拝見となるが、

新法となると、今後この法案がベースになっていくことになるので、

業界としては注目である。

まあこれから人口減少社会になることも考慮すれば、

欧米諸国に倣うわけではないが、

そろそろ数量規制があっても良いのかな

とは感じる。

独禁法は適用しないから、(既存の)業者間で話し合って減車台数決めてください

っていうのは、客観的には意味不明であって、

人口から(または日中人口から)、割合を定めて地域の適正台数を決める

という形を取れば分かりやすいし、

最も問題になっている地域間格差を減らすことが出来るはずである。

何より新規参入を認めないというのは断固反対やね

価格競争に陥らないようなシステムは必須やけど、

上のような数量規制を取れば、ゆとりのある地域は必ず存在するわけで、

そういう地域では新規参入を認めるべきやと思うけどね。

また(昨年少し話題になったが・・・)「免許制」に戻すのであれば、

違反の多い業者の免許を取り消すことで、

(その穴埋めという形で)都市部でも参入の枠を作れることになる。

とにかく

業界の活性化のためには新しい風は必要ですよ

そういったものが、いろんな地域で循環して、業界は変わっていくことが出来るんですよ。

2013年10月17日木曜日

この戦略の狙いは・・・


コメント欄に投稿もらった動画だが、

この戦略の狙いは・・・(もちろん採用やろ)

出演者にギャラは出るんやろか(客の女子大生とかな)

ちなみに同社(東京日本交通)の保有台数はグループで3000台を越すらしい。

4社の他の会社(国際、大和、帝都)も1000台単位の保有をしていることを考慮すると、

この時代人員確保は容易ではないやろね

特措法改正などなくても、減車は進むやろし、

今後の課題はグループをいかに統一して、

資本を増していくか(株式上場か)、

その過程で、

こうした会社がどのように周辺地域に影響していくか

その辺がポイントになるんだろう。

いろんなハードルはあるやろけど、

バックも強いからなぁ・・・(お義父さんね)

次なる戦略に期待しています。
 

2013年9月30日月曜日

夢のある職業にするために


半澤直樹に沸いた9月も終わろうとしているが(また意味もなくキーワード入れたな・・・)、

昨月くらいからネットや新聞紙面などを賑わしている

タクシー規制強化問題について

こんな記事を見つけた

タクシー飽和に業界悲鳴…青森

09年のタクシー特措法改正で、

行政は既に規制強化に舵を切っているのだが、

地域によって、効果に温度差がある

という問題である。

わかりやすいのが、

東京と大阪の温度差である

東京は09年の規制強化から各業者の協力体制(業界カルテル?)が効果を示し、

順調に減車が進んでいる。

結果平均営収も増加傾向にあり、

しかも7年後のオリンピックも決まり、

今後の見通しは明るい。

しかし大阪は東京ほどうまく減車が進まないばかりか、

未だ「囚人のジレンマ」の異常な価格競争(5・5割)から抜け出せず、

平均営収は東京のそれに大きく離されたままである。

(タクシーにおいて)東京と大阪の違いは何だろうか?

これは業界の人間なら、分かる人は分かるだろう(この表現が俺にはよく分からない)。

事業者の数、正確には総台数に対する事業者の数である

東京都の法人タクシー車両数は24年3月のデータ(以下同)で、35,176台

それに対して事業者の数は、1,151社

一方大阪府の法人タクシー車両数は、16,549台

事業者の数は1,107社

もうお分かりだろう(嫌われるからやめろ)

車両台数が大阪は東京の半分以下なのに、

事業者の数はほとんど変わらない

要するに事業者が多いということは、

話し合いがまとまらない

ということである。

そして車両台数を事業者数で割った、「1社あたり保有台数」だが、

東京が1社あたり30.56台であるのに対し、

大阪は14.94台である

やはり大阪は事業者の規模が小さいなぁ

と思うかもしれないが、

全国単位では、

法人車両台数が20万5,683台に対し、

事業者数は1万4,798社

1社あたり平均保有台数は約13.9台

大阪の数字よりさらに小さくなる。

よって多くの地方で問題が生じていることが推測できる。

解決策は、

法人の事業規模を大きくすること、

地方では独占にならないように2社以上に誘導することと、

一方で(話し合いに応じることを条件に)個人タクシーの認可規制を緩和すること

特に地方で個人タクシーを増やすことで、

(価格以外の)競争を誘発し、

量と質の両面が担保され、

何より若いドライバーの夢を担保することが出来る

必要以上の収入よりも自由を求める人たちにとって、

個人タクシーは夢のある職業だと思いますよ。

2013年9月16日月曜日

3年生くらいになりました


台風18号の影響で、

週末はものすごい雨が降ったが、

人間心理というのは不思議なもので、

あれだけ雨が降ると、

「もっと降れ、もっと降れ」

という心境になったりする。

うまく言えないけど、

人間てどこかで悪い状況になることを望んでるようなところがある

雨が降ったら降りまくれ、

台風が来たら直撃しろ、

タクシー運転手は苦しめ

みたいな世間の空気あるよね(つながりよくわからんし)。

客との会話でも、

「最近景気どぉ?」

なんて聞かれて、

「まあまあ良いっすよ」

って答えたり、

「タクシー(運転手)って大変やろ?」

なんて聞かれて、

「いや、楽しいっすよ」

なんて答えたりすると、

車内の空気が重くなることよくあるんよね。

要するに、

期待されている答えは多くの場合ネガティブなものなんですよ

景気は悪くないといけない

タクシードライバーは苦しくないといけない

そしてそんな話を聞いて、

相対的に自分自身の幸せを感じたい

上のような会話を何百とこなすと、

そういうところまで分かってくる。

あと、これはよく言うことやけど、

若い方是非運転手になってみてください

なんて言っても、

実際タクシー会社に入ったら、

多くの場合は空気重いですよ

事務所はストレス溜まってるし(これはタクシー会社に限らんやろけどな)、

そして表(乗務)に出ると、

先日研修を終えて、

やっと待ちに待った乗務が出来ると喜んでいた

ある新人運転手さんに聞いた話やけど、

駅のタクシープールで、笑顔で先輩乗務員にあいさつに行ったら、

「こんなアホらしい仕事、早いうちに辞めた方がええで」

と言われたらしいが、

残念ながら、これよくあるんですよ

タクシーってのは、

地域のシェアの取り合い、闘いやからね

当然敵は少ない方が良い

そして、

芽は若いうちに摘め

とばかり、早めに攻撃に来ますよ。

敵のモチベーション(やる気)を落とす

ビジネスの戦略においても非常に有効な攻撃なわけだが、

ここで気付いて欲しいのは、

もうここから闘いは始まってるんですよ

相手の戦略に乗ってしまっては、

ビジネスの世界で楽しむことは出来ない

そうタクシーってのは、まさに「ビジネス」なんですよ

でも本物のビジネス(個人事業)と決定的に違うのは、

初期投資がほとんどかからないこと

言うならば、最初から浴びせられるネガティブな言葉こそがコストなのかもしれないが、

まあ言葉って意外とストレスになるしね・・・(執拗なブログのコメントとかな)

それでも、うまく行かなくてもマイナス(借金地獄)になることはないわけです。

慣れてきたら、

だんだんビジネス(周りの人間の目的、意図するところ)が見えてくるはず

6年生になってやっと最高の場所(公園)を見つけた子供たちは、

そこにふらふらと1年生が1人で入ってきたら、

徹底的に追い出すやろね。

そして言うでしょう。

「こんなしょーもない公園に来るな」

なんかタクシーの世界って、こういう子供たちの「ビジネス」にすごく似てる。

 6年生は今楽しければ良いわけで、

遊具を傷つけ、ゴミを捨てて去っていく (中学生になったら公園では遊ばないという偏見設定ね)

でも1年生は、

これから自分たちが遊ぶ公園をどうやって良いものにしていこうか

と考え、ゴミを拾い、どんな遊具があれば良いか想像して、

そこで遊ぶ新しい仲間を呼んでくる

わたしは最近やっと3年生くらいになりました。

公園は少しずつだけど、過ごしやすい場所になってきました。

ここからは我々の努力やろね

新しく入ってきた仲間を笑顔で迎えられる場所を作ること、

そして空気を読まずに、

「タクシー楽しいっすよ」

そう言えるように、

そこから変えていきましょう。

2013年9月10日火曜日

タクシー乗るなら今でしょ

東京のドライバーのみなさん

東京オリンピック決定おめでとうございます!

7年後、最もタクシーの良い頃やろねぇ・・・

日本にとってはもちろん

タクシーにとっても後々まで語り継がれる「時代」になるはず。

若い人たち、

タクシー乗るなら今でしょ

直前に乗り始めても、何も語れません。

今から7年間、運転席から東京を見て、

そして「そのとき」もそこにいて、

30年後に語ることが出来るんですよ

あのとき俺は、「そこ」にいたって。



ちょっとリンク整理しますね(なんやねん)

下が今のリンクやけど、

今も価値ある情報流してくれてる方もいるし、

いくつかはなくなってたり、更新途絶えてたり、

一応なくなったブログも存在していた記録としてメモしておいて、

またアクティブなブログ探していきます!

タクシードライバー日記(北海道のタクシー経営者)

仙台市泉区のタクシードライバー 日々是好日記(仙台の運転手さん)

タクドラ奮闘中@船橋(千葉の運転手さん)

四街道お迎え交通会(千葉の相乗りタクシー)

タクシードライバーブログ「小雪族」(東京の運転手さん)

慶大卒タクシードライバー(KTD)の日誌(東京の運転手さん)

こういち@タクドラ日誌(東京の運転手さん)

タクシーの申し子 カリスマ運転手の日々のブログ(東京の運転手さん)

新米ヒヨ子タクシードライバーのひとりごと(東京の運転手さん)

ピカチョウの「日日是好日」(東京の運転手さん)

ヒモタク~東京タクシー街・人見聞録~(東京の運転手さん)

のほほんタクシー年収500万生活♪(東京の運転手さん)

新人タクシードライバーの独り言(東京の運転手さん)

タクシー運転手からの内緒話(東京立川の運転手さん)

タクシー実車率向上研究会(東京のイベント情報等)

タクシーを語る(東京の配車システム経営者)

横浜の新人タクシードライバー(横浜の運転手さん)

きみちゃんのトリップ劇場(静岡県富士市の運転手さん)

不良運転手の献立表(名古屋の運転手さん)

京都観光の裏技!(京都MKの運転手さん)

京都観光はタクシーで(京都の個人タクシーさん)

通訳案内士・まちタクシーの京都案内(京都の運転手さん)

女性タクシードライバー日記(京都の女性運転手さん)

ポニョタクのブログ(大阪の運転手さん)

きっしゃんコーイチ☆ぴよぴよな中年初心者☆タクシードライバーのココロ(大阪の運転手さん)

タリホー運転手の生活(兵庫県の運転手さん)

神戸のタクシードライバー日記

タクシー運転手、明け番の戯言(広島の運転手さん)

タクドラ営業日記(広島の運転手さん)

哀愁のタクシードライバー(松山の運転手さん)

タクシーで行こう(大分の運転手さん)

盛幸タクシー(沖縄の個人タクシーさん)

2013年9月2日月曜日

今こそ価格規制を


なんか1週間くらい前から、妙にアクセスが増えてると思ったら、

なんと、このブログがヤフーニュースに取り上げられていて

おー!と思って、

ここで自慢しようとして、今リンク探したら

既に消えていた

ネット世界の移ろいは早い・・・

まあそんな中で、

もう6年以上もこんなことしてるわけやから(余程暇なんやろな)

ある程度評価されるのもわかるわ(コメント欄エムケイの広告にされてるやんか)

・・・

一応タクシーブログとして、

逃せないニュースが先週あったわけだが、

過剰タクシー削減義務…「小泉緩和」抜本見直し


読売さんの記事が比較的短くて、

要点を捉えているので、コピーさせて頂こう。

 自民、公明、民主3党は、供給過剰となっている都市部などのタクシー台数の削減を義務付けることを柱としたタクシー適正化・活性化法改正案をまとめた。
 秋の臨時国会に議員立法で提出し、成立を目指す。成立すれば、小泉内閣時代に構造改革の一環として進められたタクシー事業の規制緩和が、大きく見直される。
 改正案では、タクシーの台数が多すぎるとして政府が指定した、大都市などの「特定地域」について、業者の新規参入や増車を一定期間、禁止する。地 域内の業者や地方自治体などで構成する協議会が、各社一律にタクシー台数を削減したり、営業時間を制限したりすることなどを決定できることも盛り込む。削 減に従わない業者には、国土交通相が営業制限を命令できる強制措置を盛り込んだ。協議会によるタクシー台数削減は、独占禁止法の適用除外とすることを明記 する。
(2013年8月25日12時40分  読売新聞)



なかなかわかりやすいチャートも添えられている。

4年前の2009年10月に、タクシー特措法の改正があって、

データとしても、目に見えてタクシー台数は減り、

全体としては、運転手の収入も改善されつつあるわけだが、

ここへ来て国交省がさらなる減車に踏み切るという報道があったわけである。

11年前の小泉規制緩和の頃とは違い、

団塊世代も定年を迎えつつあり、

既に運転手不足が顕在化しつつある

自由化的な流れを受けて、

増車や値下げ攻勢をかけていた業者も

今や勢いを失っていると言っても良いだろう。

今何故規制強化?(中国語か)

という印象が強い。

恐らく裏では、

族議員や業界関係者の激しいつばぜり合いがあるんだろうが、

今やるべきことは(供給規制より)価格規制やないやろか

関西、特に大阪では、未だ規制緩和時代の理不尽な価格を改善出来ていない。

いわゆる5・5割(5千円以上のメーター料金を半額にすること)というやつである

これは、もはや情けない大阪名物と言っても良い。

もし行政が減車を事実上強要するのであれば、

それは供給規制であり、

上のような料金体系(5・5割)は、

長距離乗車の需要を喚起し、実質的な供給をさらに減らすことになる

ちなみに固定的な供給規制が敷かれているニューヨークでは、

市外(遠方)への乗車は帰りの料金相当額、要するに、

メーター倍額のサーチャージ(割増料金)を請求するという話もある

供給が適正に絞られれば、

都市部のドライバーにとって遠方乗車は非効率な仕事でしかない。

逆に安いからといって、

乗車する必要のない利用者が、遠方にタクシーを剥がしてしまうことになり、

区域内で、本当に必要としている利用者が不便することにならないだろうか

それでも遠方へ行って、運転手が(収入的に)潤っているのなら良いが、

大阪地域の運転手の収入を見れば、とてもそうは思えず、

逆に回復している他の地域を横目に、未だに苦しんでいる

関西の活性化のために、

我らタクシー運転手のために、

今こそ、運輸局の優秀な方々が動いてくれることを祈るばかりである。

2013年8月25日日曜日

夏の終わり


いやぁ・・・今年も24時間テレビが終わりました。

「夏も終わりやねぇ」

「今年は森三中の大島さんがマラソン走ったらしいね」

「なんか時間内にゴール出来んかったらしいやん」

「番組的には、大変やろね」

「いや、計算通りなんちゃう。次の番組(『行列の出来る法律相談所』)の視聴率稼ぎみたいな」

「・・・うーん。それは、ちょっと勘ぐり過ぎちゃうか」

「まあまあ、どっちにしてももう終わったんやから」

「やから?」

「この後、関西テレビで怪談グランプリがあるらしいやん」

「怪談?」

「なんか今年はタクシードライバーが出るらしいで」

「タクシードライバー???」

「意外とタクドラって(こういうときだけ)人気あるみたいやんな」

「まあ怪談に限らず、話聞いてみたい言う人は多いな」

「でもあんま話おもろなかったみたいやけど」

「あっ、そろそろ大島さんゴールやで」

「・・・」
 

2013年8月16日金曜日

「迎車」を英語で言うと?


コメントで面白い質問をもらったので、

ちょっとこの辺で投稿稼いでおこう・・・(そういう心理よくわからん)

「迎車」を英語で何と言いますか?

難しい質問ですねぇ

「芸者」は英語でもゲイシャやけど(それ聞いたし)

ネット検索で一番(weblio)に来たのは、

「taxi en route to a customer」

これ違うよね。

そもそも一言で言えなければ今でしょ

いや、意味ないでしょ(何かすべってるなぁ)

この質問の何が難しいかと言うと、

例えばアメリカ、

ニューヨークのイエローキャブに「迎車」という概念は存在しないんですよね

イエローキャブは基本的に予約配車で走ってはならない

要するに迎車はタクシー(キャブ)ではないんですよ

それでは、何かと言うと、

俗に「car service(カーサービス)」と呼ばれるもので、

日本で言うところの「ハイヤー」になる。

日本でもタクシーとハイヤーはちょっとライバル的な関係にあるかもしれないが、

ニューヨークの「イエローキャブ」と「カーサービス」の争いはすごい

余談だが、今話題の「タクシーアプリ」

アプリでタクシーを呼ぶのは違法や!

というカーサービス側の政治的圧力で、

ニューヨークでは一時禁止になったなんていうエピソードもある

要するに、

「迎車」はアメリカでは「ハイヤー」なわけです(イギリスではまた違うけどな)

ファイナルアンサー

「迎車」を英語で一言で言うと「hired」

これネット検索では出てこないやろ

どうですかね(自信ないんかい)
 

2013年8月5日月曜日

もうタクシーは増えませんよ


先日とりあげた、こちらの記事(どんだけ間開けてんねん)

 http://news.nicovideo.jp/watch/nw702213

タイトルが、

「なぜ不況の中でもタクシー台数は増えるのか? タクシー会社の損益計算書を直接原価計算で考える」

まあ未だにこんなこと書く人がいて、

それを記事としてとりあげるメディアがあるんやな

という驚きも少しあるよね。

結論としては、

「(不況だろうと好況だろうと)もうタクシーは増えませんよ」

ということやろか。

上の記事では、何かと難しい会計用語を使って書いているが、

要は、

タクシーの給料は歩合制なので、

会社にとっては運転手(労働者)を雇うリスクが少ない

だから不況でも供給(タクシー台数)を減らすどころか、

増やすインセンティブが働く(お前も思い切り用語使ってるやんか)。

まあ俺も一応簿記1級持ってるし(出たな役に立たない資格自慢)

・・・簡単に説明したろか

例えば薄型のテレビなどで、

供給の1単位が売値で1個3万円としよう

このテレビを一つ作るのに、材料費や工場の熱量が2万円かかるとする。

これが「変動費」 となる

100個のテレビを作るとすれば、

売上は300万、変動費は200万

残った100万円でその他の費用を出して、

さらに利益がほしい、ということになる。

事務経費や償却費(固定費)で30万ほどとすると、

給料20万円の労働者を3人ほど(60万円)雇って、

10万円が利益になる

しかし、このテレビの需要が80に下がってしまったときには、

売上は240万、変動費が160万

固定費は文字通り変わらない(30万)ので、

雇う労働者を1人減らさなくてはならない

これを俗に、「リストラ」なんて言うわけだが、

タクシーの場合、

営収3万円として、本当の意味で変動費となる燃料費は約1割(3千円)

1ヶ月換算の台数が100台(例:3.3台×30日)とすれば、

300万の営収から、変動費30万、固定費30万を引いて、

60%を運転手に戻せば、人件費が180万

残り60万が利益となる

この需要が2割下がったとき、

営収240万、変動費24万、固定費30万、

単純計算で(歩率60%として)人件費144万

利益は42万円となるわけだが、

何かとカラクリ(アシキリ制や累進歩合など)があって、

事実上の歩率を50%に下げることが出来れば、

なんと需要(営収)が2割下がってるのに、

利益が1割(6万円)増える

なんていうマジックが生まれたりする。

さらに、ここで供給を増やすことが出来れば、

もっと儲かるわけである。

増やすことが出来ればね

実際には、2009年10月のタクシー特措法改正により(もう4年も前の話やけどな)、

増車の認可基準が厳しくなり(事実上減車への誘導となり)、

「限界利益」とか「インセンティブ」とか難しい言葉を使う前に、

そう簡単にタクシーは増やせません

そして、仮に増車が認められたとしても、

これから運転手のリクルートは年々難しくなっていきます

増車した車を遊ばせて無駄な経費がかかっていくことになる。

そんな中、これから高齢化でタクシー需要は増えていきます

そんな魅力的な業界なんですよ。

2013年7月26日金曜日

なぜ不況の中でもタクシー台数は増えるのか?


この景色いいよねぇ・・・(ちょっと古くないか?いろいろ)

自分だけの空間があって、

自分だけの時間があって、

自分だけの景色があって、

そして出会いがあって、

出会いの目撃者になって、

いろんな交差点で、

いろんなドラマを見て、

常に動いていく、

動いていける

そんな素晴らしい職業なんですよ

「あまちゃん」、観てます?(誰に語ってる?接続詞入れろ)

主人公(天野アキ)のお父さん、

実はタクシー運転手で(関西弁嫌いらしいで)、

21歳からタクシー乗ってるんですよ(年齢的には微妙やけどな)。

そして24歳のときに、客として乗ってきたキョンキョン(天野春子)を見事射止めてしまうんですね。

タクシーって、出会いが多くて

しかも密室で、大抵はマンツーマンやからね

若いうちに乗ったら、それはドラマ多いと思うよ

おっさんになってからやと、まあ・・・

まあ良いこともあるけど(フォロー苦しいな)。

ほんまに良いことあるって!(おっさん、もういいから)

それから、また話変わるけど(変えるな)、

面白いサイト見つけたので、

http://news.nicovideo.jp/watch/nw702213

これなんやけど、

タイトルは、

なぜ不況の中でもタクシー台数は増えるのか? タクシー会社の損益計算書を直接原価計算で考える 


結構難しい内容なんやけど、

突っ込みたい部分も多くて、

またゆっくり分析したいと思います(タイトルにすんな)。

2013年7月15日月曜日

タクシー運転手は薄給じゃありませんよ


夕立が続いた3連休やったが、

タクシーの給与に関する投稿が、

やっぱりアクセスが多くて(夕立との因果関係は?)

それに関して以前から、

検索上位に来るこちらの投稿が気になっていたのだが、

 http://okwave.jp/qa/q3147899.html

まあよくある質問サイトなのだが、

タイトルは、

「タクシー運転手の給料(薄給です)」

もう6年も前の投稿なのだが、

そのうち(ネット上から)消えるやろ

と思っているのだが、

未だに消えない。

内容は、東京のタクシー運転手さんのご夫人が投稿した(という設定の)もので、

簡単に抜粋しよう。

「 主人が23区内のタクシー会社に30年程、勤めています。
恥を忍んで質問いたします。」

まずこの投稿者のご主人は、

全国でも最も稼げるはずである23区のドライバーであり、

しかも30年のキャリアがある。

そして最初に突っ込んでおこう

「恥を忍んで」まで、質問しなくてはいけないような内容ではない

まあ続けよう。

「 先月12万、今月13万、これでも去年から比べたら、良い方です。
去年の年収手取りは、180万円ですので、市民税都民税も0です。
また、交通費は0円、退職金ありません。サラリーマンで言う、ボーナス、ありません(ただし、給料に少し組み込まれてるとの事です)。」

都内のドライバーさんが、上の数字を見たら、

この人 余程さぼってんな・・・(しかも今どきこんな会社生き残ってないやろ)

と思うやろけど、

 「主人はきちんと早朝、5時前に家を出て、駅までバス代の節約と言って、歩いて仕事に行きます。仕事をサボる訳でもなく真面目に働き、体力的にも精神的にも きつい仕事を睡眠や、食事時間も削りながら、もう60近い主人が頑張って働いてくれています。(家へ戻るのは朝の6時です。)」

ここまで読んで、

これは嘘やな

という確信を持ったね。

こちらは東京の日本自動車交通さんの給与計算のサイトだが、

http://nihonjidoushakoutsu.co.jp/pay/kyuyo.html

こちらの会社の歩合率は65%、

比較として、一般他社の歩合率を62%としている。

仮に低い方の62%で計算したとして、

上の運転手さんの「ある月の額面給与」が17万6865円

とあるので、逆算して、

月営収が約28万5千円

12乗務で割って、

1乗務23,772円

東京23区で、30年のキャリアがあって、

朝早くから、翌朝まで真面目に働いて、

1乗務2万円台前半

考えられます?

今なら新人さんも含めた平均でも、この倍(1乗務平均4万円台)はあるはずやけど。

問題は何故ネット上に上のような、

タクシー運転手の給料は安いという情報が溢れているか

ということなんですよ。

※地域によっては実際に苦しい状況のところもあります。

上の投稿を見ると、はっきり言って示している数字が現実離れしているものの、

給与明細の項目はかなり現実に近いものがある(「AVM」なんてのもあるしな)

しかし最終的に(質問サイトに投稿してまで)一体何を聞きたいのかわからない

これらから推測するに、

きっとこのような投稿は、

現役の運転手が、
 
若い人たちをタクシーから遠ざけるために(自分たちの領域を守るために)

恣意的に流している情報ではないか

ということなんよね。

こういうのが多すぎるので、

同じ「薄給」というキーワードを入れて、

ちょっとかみついてみました(さあ、逆にかみつかれるで)

2013年7月9日火曜日

怪談の季節


いやぁ・・・

怪談の季節ですね(なんやねん)

タクシー乗ってて、怖い経験とかしたことあります?

あるよねー、そうやんねー(頼む、いろんな意味でもうやめてくれ)

よくあるのが、

夜中に、結構なスピードで走ってて(60キロくらいやんな)

突然道端で手を上げられたような、

残像を見ること

えっ?

と思って、ブレーキを踏むけど、

まさかこんなところに客がいるわけないみたいな、

山道やったり、

田舎道やったり、

外灯さえなくて見えなかったり、

夜中って、駅とかのポイントがそれなりに堅く稼げるから、

わざわざ手上げの客拾う必要もなくて、

ブレーキ踏んでも、そのままサーっと進んでしまうことがほとんどなんやけど、

わざわざ停まってバックしてたりしたら危険やし(乗車拒否の批判をかわしたいわけね)

あのときは何故か急ブレーキ踏んで、

バックミラーを見ても、誰もいなくて

ふー、と息をついて、

またアクセルを踏もうとしたら・・・

なんか後部座席に気配を感じて、

もう一度バックミラーを見たら、

白い服を着た女性が乗ってた

なんて、よくありますよねー(・・・)

そんな話、あったら教えてください。

そして暑い夏の夜

涼しい経験をしたいと思ったあなた

タクシーに乗ってみませんか?(誰が乗るか)
 

2013年6月26日水曜日

タクシー運転手のリクルート


「今週一件も問い合わせないわ・・・」

タクシー会社というのは、

基本的に常に求人をしていると言っても良い

会社としては、稼働率を上げる(車を遊ばせない)ことが重要であり、

給料は歩合制が多いので、

ぶっちゃけその分仕事があろうが、なかろうが関係ない

例えば10台の車が1日6万円づつ持って来るとする。

この日の会社の売上としては60万円

歩合率50%とすれば運転手個人としては1乗務3万円もらえることになる

会社には上の人件費を引いた30万円が入り、

そこからさらに経費等が差し引かれ、残った金額が利益となる

この会社が台数を5台増やした(または稼動を5台増やした)とする

15台の車の売上は5万円づつ、

運転手個人の身入りは約5千円減る(これは結構大きいよな)

しかし会社の売上は75万円と15万円増える

これは1日の話なので、一ヶ月なら450万円のキャッシュフローがプラスとなり、

人件費経費等を差し引いても、利益増が期待出来るわけである。

要するにタクシー会社というのは、

常に稼働率を上げたい、

出来れば車を増やしたい(増車は運輸局の認可が必要になる)

そのためには運転手を増やしたいのである

ちなみに10年ほど前のいわゆる「小泉竹中構造改革」により、2002年にはタクシーも規制緩和の標的となり、この増車規制が大幅に緩められた。そのため路上にタクシーが溢れかえり、主に都市部の運転手が困窮した事例があり、現在も大阪などではダンピング競争(55割引)などその後遺症に苦しんでいる。

「(いくら求人かけても)これから運転手の確保はそう簡単ではありませんよ」

「なんでや?景気がよう(良く)なったからか?」

どうやら景気が悪くなるとタクシーに人が流れてくるというのがこの業界の共通認識のようだが・・・

「・・・違います。構造的な問題です。数年後にタクシー運転手は確実に不足します。多くのタクシー会社が人を集めることが出来ずに撤退していく(または大手に吸収される)でしょう」

10年前の規制緩和(道路運送法の改正)はひどいものだったが、

なぜあれほどタクシーが増えたのか

あの時期いわゆる「団塊の世代」が50代前半

各企業では年齢に見合った報酬やポストを用意出来ず、

人員整理(リストラ)需要が高まっていた

タクシーの規制緩和は「渡りに舟」だったわけである。

水が流れるように、多くの年頃(?)の人材が業界に流れ込んできた。

一般企業になじめなかったとしても、

優秀な人たちもたくさんいたし、

何よりまだ50代、一生懸命働いたわけである

当然供給はパンパンに膨れ上がり、

市場は混乱した。

しかし、あれから10年が経った

団塊の人たちは60代に入り、

ついに年金をもらう年齢に突入した

まあこの(年金をもらえる)65歳でみなさん働き方がガラっと変わるね

比較的長く働けるのがこの仕事のメリットでもあるのだが、

やっぱりみんなトーンがグッと下がる

「トーンが下がる」というのは、

この場合「仕事量を減らす」という意味で、

仕事時間をコントロール出来る自由なタクシーだからこそでもある。

しかもタクシーというのは、言葉は悪いが、

仕事の奪い合いの闘いみたいなところがあるが、

65を過ぎたら、とりあえずそういう闘いからは引退する運転手が多い

ギスギスしたところがなくなって、

びっくりするくらい人柄が変わる人もいる

要するに、職場の雰囲気は良くなるよね。

「わしらはもういいから、若い人たちがんばりや」

みたいな。

そして、リクルートの話に戻るが、

現在(2013年)の労働市場では50代の労働者が少なく、我々40前後の、いわゆる「団塊ジュニア世代」が多いという非常にバランスの取れた状況になっている

整理(リストラ)需要は少なく

20代はまた少ないので、

今後多くの業種で人手不足になる

要するに入ってくる運転手は少なく

上の「団塊ドライバー」が今後大量に退出(引退)していく

そして大量の「団塊世代」は(高齢者として)利用者となり、

タクシー需要は増える

供給が減って、需要が増える

これが何を意味するかは誰でもわかるだろう。

「ぼくは10年前からこれから起きる状況を予測していました。だから若くして(20代で)タクシー運転手になったんです。

これから運転手を確保できなくなってくる中で、女性や若手を業界に引き込む必要があります。

そのためには何とかして業界のイメージを変えなくてはいけません。

さらに事務所機能をスリム化して、運転手を兼務させるシステムが必要になってくるでしょう。それは会社としてのコスト削減や効率化はもちろんですが、内部のオペレーションまで手がけることで若い人材のモチベーションを高め、現場を活性化させる効果もあります。」

そして事務所の椅子に座ってパソコンいじってるよりも、

運転したくて仕方なくなってくるわけです(メッセージ多いな)。 

最後に大事なことやけど、

若い人若い人と書いてるので、「わしらは必要ないんかい」と思われそうやけど、

次世代のために業界のイメージを変えるのは、我々ベテランドライバーなんですよ

がんばりましょう! (どさくさにお前いつから「ベテラン」になったんや)

2013年6月24日月曜日

タクシー会社の管理事務


一般的な話として、

タクシー会社って何しているところなのか?

もちろん現場(タクシーの車)は、

お客さんを希望する行く先に送る

という非常にシンプルかつ、公共性のある業務をこなしている。

それでは、オフィス(事務所)機能についてはどうか?

①運行管理

②労務管理

③営業

④教育

⑤車両整備(メンテナンス)

⑥配車(大事な業務を忘れてた・・・)

などだろうか。

①の運行管理(又は運行管理者)とは、

主にタクシー(旅客自動車運送)事業における運行の安全管理を行う仕事で、

道路運送法において全ての営業所に義務付けられている業務である。

ちなみに、この「運行管理業務」はバス(乗合自動車運送事業)やトラック(貨物自動車運送事業)など全ての運送事業所に義務付けられている制度である。

②の労務管理は、主に給料計算や社会保険の手続きなど、どのような会社にも必要な業務であるが、

①の運行管理と異なり、大きな会社であれば本社に機能集約したり、アウトソーシングしたりすることも可能である。

③の営業についてだが、

運転手同士の会話でよく聞くのが、

「暇やなぁ・・・事務所が営業せーへんから」

「(タクシー会社の)事務所なんて、営業のためにあるん違うんかい」

なんていう「営業」「営業」という言葉だが、

それならタクシーの営業って、どう仕事を取ってくるのか?

BtoB(企業相手)であれば、

「すみませーん。XX交通です。当社のタクシーのご利用よろしくお願いします」

「あぁ、申し訳ない。うちは主に○○タクシーさん使ってるんですよ」

「そこを何とか・・・」

「はぁ、そんなら少しは安くしてくれるの?」

当然こういう話になってしまう。

基本的にタクシーというのは、

大口顧客であっても値引きは認められていないため、

※場合によっては時間貸切等の対応は可能である

この流れになってしまっては、営業が出来ない。

またこれからのタクシーは個人顧客が重要なターゲットになってくるが、

個人は営業云々でなく、必要なときにしかタクシーは使わない。

スマホアプリ配車やネット検索(SEO)などの戦略もあるかもしれないが、

「これからの重要な個人顧客」とは、主にご老人である

④の教育や⑤の車両整備、⑥配車オペレーションなどについても、

必ず必要な業務ではあるものの、

I運転手の兼任やデジタル化など、効率化は可能である。

これらのことを考えて思うことは、

当然のことながらキャッシュを稼いでくるのは現場(タクシー運転手)であり、

現場が最も重要である

良いタクシー会社とは、

これも当然のことながら現場の運転手が気持ち良く働ける会社である

そのためには、

より多くの車両を機動的に回していくことで、

稼ぎやすい環境を提供することであり、

上の営業においても、

「安くしまっせ」

ではなく、

「うちのタクシーを呼んで頂ければ、他社よりも早く配車出来ます」

というデリバリー機能を強化することが必要である。

そして管理人員は、当然のことながらより少なく絞ることが求められる。

そして何人かの現場を知る人間

要するに運転手兼務の人間が管理業務に携わることが出来れば理想であり、「良いタクシー会社」の条件とも言える(なんとかして運転手続けたいわけね)。

2013年6月18日火曜日

貴重な千円札


雨降りませんねぇ・・・

でもこれから嫌になるほど降るらしいですよ

そういうもんなんです。

その時期に通常あるはずものもがなければ、

その後にいつもより多く得られる

だから我慢しましょう(そろそろ感じ悪いな)

全然関係ないのか、

少しあるのか・・・

この記事、めちゃめちゃ共感しました、

タクシー運転手に嫌われない会計の仕方

 こんなこと?

って思われるかもしれへんけど、

長い間タクシー乗ってて(一応今も乗ってるけどな)

利用者に言いたいことベスト12くらいには入るね(微妙なランキングやな)

「1170円なんて運賃のとき、1万円札と『小銭あります』なんて170円を出されることがあるけど、実は迷惑。その分、貴重な千円札を1枚余計に減らすことになるので」

この、

「小銭」要りません

「運転手さん、すみませーん、一万円札しかないんです」

これ正直嫌やけど、仕方ないですよ。

ワンメーターだっていいんですよ

お客さんもいつもいつも千円札持ってるとは限らへんし、

急いでるのに、タクシー乗るためにいちいち万札くずしてくれ

とまでは言わへんけど、


数少ないけど、たまにあるんよね。

「ごめんねー、万札しかないんよ。小銭あるけど・・・出さない方がいいやんね」

お客さんと心が通じ合った瞬間って、

タクシー乗ってて、うれしいことベスト3くらいに入るよね。

2013年6月14日金曜日

タクシーって人を乗せなきゃいけないの?


「荷物だけ運んでほしい」

仮にこのような要望があった場合、タクシー会社は承諾して良いのか?

という問題である(どうでもいいけど更新さぼるな)。

個人的には、

所定の料金さえ頂けばOKでしょ

という見解やった。

実際こういった需要はあるのやろか?

通常の輸送であれば、クロネコヤマトさんなんかに頼んだ方が安いに決まっている。

しかし、特に都市部などで、

どうしても今日の17時までに、ある事務所に書類を届けなければいけない

なんていう場合に、

それがもう16時やったりしたら、ヤマトさん呼んでも間に合うかどうかわからない。

駐車場まで行って車を出すのも時間がかかるし、

そもそも(自分のいる)オフィスを空けることは出来ない

そんなとき、さっと表に出て、流しのタクシーを停めて、

「ちょっと、この書類XXまで至急届けてくれる?」

なんて頼めば、高くはつくものの

(余程のことがなければ)確実にとどけることが出来る

これが法的にOKなのか?

実際タクシー関係の最高法令である「道路運送法」には、

荷物のみの輸送がNGだということは明確に示されていない。

ならOKやん

と喜ぶのはまだ早い(誰が喜ぶ)

 京阪タクシーを捜索 出馬表違法輸送

もう6年も前(2007年)になるが、上のような事例があった。

これはメーター料金の半額ほどで輸送していたらしく、それが問題になったと思ったのだが、

法律というのは、国民の安全と福祉のためにあるものもあれば、

特定の業界を守るために存在することもある(その方が多いやろ)

要するに上の事例では、トラック業界を守る法律

貨物自動車運送法違反

として摘発されたのである。

貨物運送事業者として、国土交通省の許可を受けなければ(有償の)貨物輸送を行ってはならないのである。

これが原因かどうかは知らないが、京阪タクシーはこの3年後の2010年に第一交通への経営譲渡のような形で姿を消すことになる。

しかしね、

人を乗せずに料金もらうなんて、おいしい仕事やな

とも一瞬思ったけど、

でも人がいなかったらタクシーやないし、

やっぱ人がいるからタクシーなのかな

だから楽しいのかな

ってのもあるよね。

2013年6月5日水曜日

内勤


ちょっと最近訳あって、事務所に入ることが多くなって

更新も滞りがちやけど・・・(誰も待ってないから安心し)

こうなると、やっぱり守秘義務みたいなものもそれなりに配慮しないとあかんし(そういう意識一応あったんやな)

・・・

それでもタクシー研究ではトップ行きたいと思ってるので、

面白い話作ってみたいとか・・・

そのためには、ある程度中のことも知っておかなあかんし、

まあ、ぼちぼちやって行きたいと思ってます。

ラブユー!(もうやめたら?)

2013年5月30日木曜日

マークシート試験攻略法


ちょっと投稿が滞ってしまったが、

久々に試験勉強をしていた

わけあってフィナンシャルプランナー3級の試験を26日の日曜に受けたのだが(どういう「わけ」や?)

なかなか実用的で面白い試験だが、

合格率は50~60%程度ということで、

内容はかなりイージーだった。

午前の学科試験は2時間で60問、そのうち半分(30問)が2択で、残りの半分が3択(ほとんど1時間で退室してたな)。

自己採点は54問正解の90点(%)

※合格基準は60%(36問正解)

午後の試験は「実技」と呼ばれるものだが(そもそもあのレベルで午前午後と分けんなよな)、

やっぱりマークシートの3択問題。

大問5題に3問づつの計15問

これも60%の正答率で合格出来るので、

要するに9問正解すれば良いのだが、

午後の試験は1時間、途中退室は出来ないので、

ちょっと本気出してみよか・・・

俺は自分で言うのもなんだが、

マークシート攻略の天才である(ほんまに自分で言うな)

30分ほどで問題を2回通り読み終えて、

マークシートのシュミレーションに入った。



これ、問題用紙の最後のページの問題の下に書いてるのだが、

15問の問題の答えを1、2、3と分けて縦に並べる

それぞれの答えが5問づつ

ちょっとバランス取れすぎやな・・・

ここでちょっと疑いを持つ

そして、空いているところにラインを引いていく

ポイントは第9問、とりあえず答えは「3」としたが、

もしかしたら「1」かな・・・

少し悩んでいた。

しかし、そもそもマークシートの試験では「1」という答えは少ないものである(「1」が答えやって分かったら、その後の問題文読まんでも良くなるからな)

左下がりのラインが5本、右下がりが4本か・・・(もはや問題の内容は関係ないわけやな)

第9問の答えを仮に「1」とすると、

左下がりのラインが6本、右下がりが3本となる

これは偏りすぎや

よし、答えは「3」や

間違いない。

自己採点の結果は、100点でした

上のシュミレーション図を書いて頭を悩ませている俺の姿を、

隣りの受験者が不思議そうに見ていた(カンニングやん)。

2013年5月19日日曜日

新人さんは道を知らなくて当たり前


これ、どうなんかなぁ・・・とは思ったんやけど。

昨晩酒飲みながらネット動画とか観てて

・・・別に変な動画やないけど(そこ、どうでもいいから)

もう寝ようかと思ったときに、

たまには、ツイッターでタクシー関係の投稿チェックしてみよか

と、さらっと見ていたら

ふと目に付くツイートがあった

元ライブドア社長、「ホリエモン」こと堀江貴文さんの、

今日は災難続き。タクシーの運転手が新人で全く道知らねーし、カーナビもクソ」

なんていう、ツイートを発見。

俺はもともと彼のファンやったし、

彼は最近まで証券取引法違反で服役していたわけだが、

正直言って、(権力に)やられたな

という印象が強かった。

容疑の詳しい内容は省略するが、

もし彼が全てを知った上でやっていたと仮定しても、

どうやろ、橋下さんのように、

「みんなやってたこと(慰安婦)やから、ええやん」

とは言わへんけど(話題的にはタイムリーやな)、

実際多かれ少なかれ、どこでもあったことやろし、

彼を表舞台から引きずり降ろすことの方が、明らかに社会的損失は大きいやろな

と思っていた。

まあ結果的に、彼は俺なんかの想像を超えた苦痛を味わったやろし、

ほぼ同世代やし、

これからがんばってほしいな

と素直に応援していたので、

上のツイートは少しショックというか、驚きがあって、

少し(?)酒が入っていたこともあり、RTしてしまった。

すごい人やと思っていたが、結局はこういう人間性やったんやろか・・・新人さんが道知らないのは当たり前やし、起業したいらしいけど、少なくともタクシー関係の事業は無理やね。 RT @takapon_jp 今日は災難続き。タクシーの運転手が新人で全く道知らねーし、カーナビもクソ。

確かに、俺の書き方にも問題はあったんやろうが

彼みたいな影響力のある人物が、タクシー関係の事業に関わったら面白いな

と思っていたので、その気持ちがそのまま出てしまった(相手のあることやからな、無礼と言われても仕方ないな)。

まさか反応があるとは思っていなかった・・・


 新人が道知らないのは当たり前だろがそれを補う方法はあるってことさ。」

 知らないなら知らないなりにカーナビの他にスマホのGoogleマップとかでバックアップするとか工夫しろよって思うよ」

なんと、堀江さんから返信があったのだ。

内容はともかく、一応対策を示されてるのはさすがだが(他のツイートは、ほとんど対策なしのバッシングオンリーやからな)、

とにかく、こうなると大変やね

彼のフォロワーは約100万人(967,961人 2013年5月19日現在)

何万人という人が、俺のツイートを見てしまったわけですよ。

いくつか引用させてもらおう。

僕はプロなら例え新人でもタクシーの運転手のプロとして道を知ってて当然だと思います。お客さんにとって新人だとか関係なく新人だからとか言い訳は通用しない。」

「プロとして道を知ってて当然」?道に詳しい人がスカウトされて運転手になってるんか?(そうやとしても、いきなりクールな対応は無理やろけどな)。

ロンドン並にタクシードライバー免許を厳しくしたらw 新人だからって許される日本のタクシードライバーは恵まれている。同じお金を払って同じサービスを提供できないシステムはおかしいと思う。」

「ドライバー免許を厳しくする」ことには賛成やけど、そうなると当然タクシー運転手は減る(タクシーは捕まえにくくなる) よね。

「道が分からない、ナビも使えないじゃプロ失格。スマホでも、なんでもいいけど、知らないなりにがんばってるというやる気、誠意を見せないと。タクシー使う人って、時間という自由を買ってるわけで、それを道案内で消費されたら、乗る意味無くなるのよ」

知らないなりにがんばってるというやる気、誠意を見せないと」 これは仰る通りですけどねぇ。多くの新人さんはがんばってると思いますよ。誠意がないのは、むしろベテラン・・・。

「新人だからと開き直るなら料金下げて欲しいなあ。提供されるサービスが少ないわけだから」

経験によって料金を差別化するのは、ありかもしれないですね。しかしこの方、どういう仕事されてるのかなぁ、余程自分のキャリアに自信あるんやろね。

「その為にも新人教育は大切なのだが、まともな教育をしているタクシー会社なんてあるのだろうか?道を覚えるには経験が必要だ。」

これちょっと笑ったね。後と前で違うこと言ってる。その通り「経験が必要(OJT)」なんですよ。教育コスト(又は時間)をかけるのも一つの対策かもしれへんけど、効果をあげるのは難しいし、その分のコストが料金に上乗せになってしまう可能性もある(こういうこと書くと、またバッシングされるんやって)。

まあ、揚げていけばきりがないが、

ほとんどが俺やタクシー運転手に対するバッシングツイートやった

まあ俺もこんなこと(ブログとか)やってるくらいやから、

何年も前からタクシーに関するネット投稿は山ほど読んでるわけですよ

まあ驚きはないというか、ステレオタイプというか、 はっきり言ってこういう「ありがち」なコメントをここに挙げることは、どうかと思ったんやけど。

まあ、これからタクシーに乗ってみようかという方にもよく読んでもらっているようなので、

そういう方たちが、他のサイトで上のようなタクドラバッシングを見たら萎縮してしまうこともあるかと思って、敢えて引用させてもらった。

安心してください、こういう人たちほとんどタクシー乗ってきませんから

これは実際乗ってみたら分かります。

タクシーの客層って、昼間はご老人が多いし、夜は50代60代のサラリーマンが多いかな。

ネット市民、特にツイッターは20~40代の利用が多いはず。ここ一番少ないとこなんですね。まだ余裕もなかったり、自家用車も自由に使える世代で、この先もここは基本的に「取れないところ」なんです。

一般的な利用者の方は、みんな温かいですよ

俺が保障します。

タクシー利用に最も多いのは「帰宅」やし、この場合聞かなくてもルート指示してくれるし、

大体堀江さんのような有名人ならともかく、

今どき一般市民が、緊急で、自分が場所も知らない場所に行くためにタクシーに乗るなんていうのはレアなケースですよ

もちろん全くないとは言わへんけど、

それを、非常に日常的なケースとして議論している時点で、彼らはタクシーという乗り物を日常的に利用していない

という推論が成り立つわけです。

「新人さんが道を知らないのは当たり前」

特に、このコメントに多くの批判が寄せられたわけだが、

敢えて、繰り返そう

新人のうちに道がわからないのは仕方ありません

例え道を知っていたとしても、最初からそんなに簡単にルートを頭に思い描くのは難しいし、

カーナビやスマホなんか使ってモタモタしてたら、その方が怒る客の方が多い。

友だちを自家用車に乗せて送るのとは、わけが違う。

タクシーのサービスって、そんなに甘いもんじゃありませんよ

大事なのは、はっきりと、

「新人なので、まだ道がわかりません(最適なルートを提供する自信がありません)」

とまず教えを請うことですよ。

「分かったふり」が一番のトラブルの基です。

多くの方は、嫌な顔一つせず、温かく教えてくれますよ

そんな多くの「温かい利用者」の方々に支えられ、育てられ、

今のプロとしての我々があるわけです。

最近やっとタクシードライバーとしてのキャリアが10年を超えました。

今初めて自信持って言えます、「わたしはプロです」と

プロって、そういうもんやないですか。

何と言われようと、その崇高な言葉、そういう世界(プロ)で仕事が出来たことに幸せを感じます。

2013年5月15日水曜日

5月第2週の乗務日報~4乗務93点


運転手というのは、

とにかく不景気な話が大好きな生き物で、

暇があれば、駅の待機場に集まって、

「あかんなぁ・・・ひどいなぁ・・・昔はなぁ・・・」

なんていう話を延々と繰り返している。

何度もそんな話を聞いていると、

だんだん腹立ってきて、

意地でも俺は「悪い」なんて言うもんか、

という反骨心(?)のようなものが芽生えるのだが、

今はほんまに悪い(言うてるやん)

先日病院に待機していたら、他社のEランクドライバー(勝手にランク付けすんな)のTさんが近づいてきた。

うゎ、こういう時期に、こんな奴と話したくねぇ・・・

「どうや?」

「はい?天気ですか?」

軽くとぼけてみる。

「違うがな、景気はどないや聞いてんねん」

「あぁ・・・景気ですか」

「あかんやろ?」

「はい?何にも言うてへんやん」

やばい、形勢悪い。このおっさんに負けたことないんやけど(そういう勝ち負け競うな)

「言わんでもわかっとる。ひどいもんやで。わしらもう引退やからかまへんけど、あんたら(若いから)大変やなぁ」

Tさんは、60代も後半かな。今はバイトで半日だけ乗ってる年金ドライバーである。

「そんなにひどいなら、はよ辞めたらいいやん。毎日ふらふら何し来てんの?」

こういうきつい本音が出てしまうところで、正直押されてる。

こういう人に「早く辞めろ」と言えば、逆に「やめるもんか」というモチベーションを与えてしまう。

ほんまに辞めてほしい人には、「やめんといて」が正解である。

「そういうわけにもいかんで。わしらもらう年金なんてわずかなもんや。食って寝てチョン。こんなアホらしい仕事でもせにゃ、生きていけへんのや」

お前みたいな奴は、食って寝られたら十分やろ。ご飯にふりかけとせんべい布団、それ以上の贅沢は神が許さんのや。

「Tさんがやめたころに良くなりますよ、タクシーは」

我ながら苦しい・・・根拠のない強がりと言われても仕方ない。

「そうやな、わしみたいなゴミ運転手はおらん方が良くなるかもしれへんな」

・・・完敗や。

※年配でも、高い意識を持って仕事をされている、尊敬できるドライバーもたくさんおられます。

そんな「ひどい」5月第2週は、

7(火)8(水)9(木)10(金)

連休明けの4連勤


5月7日(火)A 日照9.5 気温16.5~9.2
営収 22,960(8,790) 13(5)回 12.25-0.25(6.50)時間
MAX 3,030-2,790

連休明けの当番乗務

気合入れて11時過ぎに入り、

11時半に乗車があったときには、

悪くない

と思ったが、

2度目の乗車は14時半・・・(3時間空いたわけね)

夜はがんばったものの、

何事もなく過ぎた1日

5月8日(水) 日照12.9 気温21.6~5.8
営収 18,990(8,090) 14(7)回 11.75-0.25(6.00)時間
MAX 3,270-2,630

この日は、夕方事務所に呼ばれたりして、

結局休憩挟んで、

16~21時まで5時間仕事なし

また何事もなく終わり

ついに20点切り

5月9日(木) 日照10.4 気温27.9~4.2
営収 18,100(11,070) 12(6)回 11.50±0(6.00)時間
MAX 3,190-1,750

ぐっと気温が上がった木曜日

昼間はそれほど悪くなかったものの、

17時半から、また4時間半の空白

特に夜はひどかった

24時過ぎの勝負

ここから1万くらい作るのを目標に臨むのだが、

24時過ぎ3千円で終了・・・

連日の20点切り

5月10日(金) 日照0.2 気温22.3~7.4 雨11.0
営収 33,890(21,010) 18(10)回 13.00±0(8.50)時間
MAX 11,910-2,710

ここまで悪い結果が続くと、

精神的に萎えてくるものだが、

この日は、前半戦悪くない流れで来て

18時前、かつての常連の土建屋さんの大将の乗車

「どうや?アベノミクスで儲かってるか?」

「・・・いえ、全然ですわ。ノダノミクス(昨年)の方がずっとましでしたね」

正直に答える。

「そうか!」

「Kさんはどないですか?そっち(土建業界)は良いんやないですか?」

「まあ、ぼちぼちな。でもあんときお前のせいでライブドア買い込んで、数億円損してるからな(笑)。これから余程がんばらな取り返せへんで」

注:ライブドアの話はしたが、株など決して薦めてません。

前半戦久々良い感じやったのに、

夜は全く伸びず

苦しい展開は続くなぁ

4乗務合計 93,940(1乗務平均 23,485)

2週連続でこけたら、ほんま痛いわ。

(もう今期は)取り返せへん

2013年5月9日木曜日

タクシーの給与制度


ちょっと真面目な投稿になってしまうかもしれないが(こういうこと断る時点で乱れてるな、お前のブログ)、

・・・

タクシーにおける給与制度について

これは非常によく聞かれる。

「タクシーって歩合制やんな」

大きく3つに分けることが出来ると思うが、

①固定給制

②歩合制

③リース制

①については、この業界では非常に少ないが、

田舎の営業所などで、

1つの駅に、または待機場所に、2台や3台で並んで仕事をしているような場合。

もう完全に順番制で、戦略も何もない

こんな場合は実際固定給制が取られていることもあると聞く。

運転手にとってはあまり面白くないが、

収入は(低水準かもしれないが)安定するし、

経営側に取っては、管理しやすい体制を取れるというメリットはある。

そして②の歩合制だが、

日本では都市部から郊外まで、

形式は異なっても、多くはこの制度が採られていると言って問題はないだろう

ただしよく誤解されるところでは、

「タクシーって完全歩合やんな?」

確かに、単に「歩合制」という言葉だけを取れば、今どき多くの業界で取られている制度である。

しかしタクシーにおいては、単なる「歩合」ではなく、

「完全歩合ではないか」

と思われている。

完全歩合とは、説明するまでもないかもしれないが、

例えば歩合率(歩率)が50%やったとして、

1ヶ月の営業収入が60万円なら、

給料はその50%、要するに半分の30万円になる

ということであり、非常にシンプルでわかりやすいのだが、

このやり方だと、営収20万なら10万円しかもらえないことになり、

200時間の労働をしていたとすれば、

時給換算すると500円になってしまうわけで、

労働基準法28条(最低賃金法) に触れる可能性があり、

大っぴらに完全歩合を謳う業者はほとんどないだろう。

それならどうなっているかというと、

1ヶ月の営業収入が60万なら、

12乗務として、1乗務5万円となる

そして、その1乗務に対して乗務給(基本給)なるものをつけるのである。

1乗務1.2万円の乗務給がつくとする

そしてその上に歩合を加算するという(ことにしてある)わけである。

それなら1ヶ月の営収が20万円しかなくても、

1.2×12=14.4

15万程度は保障されるということだろうか

そうは問屋が卸さない。

タクシーにはノルマならぬ「アシキリ」というものが(多くの場合)存在する。

「1乗務最低でも3万円は揚げてくださいね」

そうすれば、ちゃんと乗務給は保障しますよ

ということである。

そして、それ以上揚げた分には65%の歩合をつけます

というインセンティブを与える。

そうすると、

1ヶ月12乗務の営収が60万とした場合。

全ての乗務で3万円(アシキリ)を超えていたと仮定すると、

まず、3×12=36万円の営収に対して、14.4万円が与えられる。

ちなみに、ここまでの歩率はたったの40%である

そして、アシキリを超えた分(24万円)の65%

24×0.65=15.6万円

ということで、

14.4+15.6=30万円

結果的に営収60万に対して50%の歩率となるわけである

しかしこのパターンにおいて、いくつかのシュミレーションしてみると、

営収40万円 給与17万円(歩率42.5%)

営収50万円 給与23.5万円(歩率47%)

営収70万円 給与36.5万円(歩率52.1%)

営収80万円 給与43万円(歩率53.8%)

営収が多ければ多いほど歩率も上がっていく、

これを俗に「累進歩合」と言う

注:道路運送法では(過度な)累進歩合は禁止されている

そして上のシュミレーションでは、全ての乗務でアシキリをクリアしていると仮定しているが、

運転手なら分かると思うが、日々移り変わる現場でそんなにうまくいくことはない

それならアシキリをクリア出来なかったらどうなるか?

大抵は乗務給(基本給)が削られる。

この場合は、乗務給を3分の2(8千円)に削られるとしよう。

ここがカラクリというのかな、所詮最低賃金なんて表面的なものでしかない。

極端な例として、仮に全ての乗務で千円ずつアシキリに届かなかったとすると、

営収34.8万円 給与9.6万円(歩率27.6%)

とんでもないことになるので、

毎回千円ずつ自腹で払うとすると、

営収36万円 給与14.4万円

1.2万円の投資で、給与が5万近く増えることになる

まあ結論として、

「タクシーって完全歩合やんな?」

答えは、

「いえ、そんなこともないですよ」

もっと厳しいとも言えるし、もっとやりがいがあるとも言える。


そして③のリース制だが、

とりあえずこちら↓を参照してください。

 http://cooldriver-in-kansai.blogspot.jp/2011/06/blog-post_07.html

まあいろいろ言われるけど、適正なリース料金が与えられれば「稼ぐ運転手」にとっては最も有利なシステムではある。

2013年5月8日水曜日

5月第1週の乗務日報~4乗務96点


”雨降る日があるから虹が出る 

苦しみぬくから強くなる”

最近NHKラジオで嵐の曲がかかっているのだが、

良い曲やなぁ・・・

と思いつつ、

いつになったら虹が出るんやろ

と思いつつ、

今年の連休は、

前半が27日(土)、28日(日)、29日(月)の3連休

中休みを3日はさんで、3日(金)~6日(月)の4連休

通常この並びでは、

連休前と連休前半はよく動き、

中休みで少ししぼんで、

3~5日は天気が良ければ、動きは良く、

連休最終日から、連休明けにかけてデッドな状況になる。

しかし、今年は連休前から動きが良くなかった

そして、中休みを中心に乗った第1週は、

30日(火)1日(水)2日(木)3日(金)

の4連勤

4月30日(火) 日照0.0 気温17.5~10.1 雨7.5
営収 22,480(9,750) 16(8)回 12.75+0.25(7.00)時間
MAX 1,750-2,790

連休明けとはいえ、

週明けの雨で、

まあまあ動くかな 

と思ったものの、

泣かず飛ばず、

これでもまあがんばった方やろ。

5月1日(水)A 日照5.6 気温13.2~5.9
営収 26,100(6,590) 12(4)回 11.75±0(7.00)時間
MAX 3,830-14,070

この日は、

何故か乗る客乗る客三桁ばかり

1日の乗車12回中7回が三桁

現役の運転手から本音を言わせてもらうと、

正直近距離乗車って、それほどいやでもない(状況にもよるけどな)

しかし、何度か続くと、

だんだん苦しくなってきて・・・

5回目くらいで(頭の中で何かが)爆発する

注:都市部では近距離乗車の率も多くなるので、このくらいは日常レベルでしょう。

もちろん乗られるお客さんは何も悪くないし、態度に出すこともありません。

そして耐えて、耐え抜いた日には、

最後に遠方が当たるんですよ(うまくまとめたな)

5月2日(木) 日照9.6 気温14.1~3.2
営収 20,950(4,680) 8(5)回 10.75+0.25(5.00)時間
MAX 1,430-15,430

連休前の木曜日で、

それなりに期待しての公休出勤

結果論として休めば良かった・・・

昼間から全く動かず、

夜もさっぱり、

そしてこの日も、耐えて耐えて、

あたった遠方

「(クレジット)カード使えるよね?」

「いえ・・・使えないんですよ」

「えー!どうしよ。金ないわ」

「(カードお持ちでしたら)コンビニとか寄りましょか?」

「無理無理、キャッシングなんて全部止められてるから」

「・・・(そんなら通常のカード支払いやってあやしいやん)」

結局連休明けの振込み依頼

こんなん久々やわ。

5月3日(金) 日照5.3 気温18.5~4.4
営収 23,090(13,550) 16(9)回 10.50-0.25(5.50)時間
MAX 2,870-2,390

今月休みが多くて、

久々の祭日出勤

昼過ぎに出て、自家用洗車して、

13時半の入り、

その割によく動いたかな

しかし終日何事もなく過ぎて行き・・・

平凡な売上に終わった。

4乗務合計 92,620(1乗務平均23,155)

悪い中で、何とか粘ってきたが

ついに(悪い流れに)捕まったという感じかな

連休明け悪いのは分かっているけど、

ちょっと時間入れてがんばらないと。

2013年5月3日金曜日

4月第4週の乗務日報〜4乗務118点


巷では、

デフレ脱却のために2年後に2%の物価上昇を目指す

なんていう報道が飛び交っている。

通常は経済成長によって、物価が上昇するのが自然なわけだが、

ボトムラインとしてアベノミクスとは(横文字ばっか使うな)、

通貨の流通量を増やすことで、物価を上昇させて

それによって経済成長を促すという、逆の流れを辿ることになる。

その手法の成否はまだ分からないが、市場の評価は受けているようである。

難しい話はともかく…(安心しろ、どうせ連休で誰も読んでない)

アベノミクスをタクシーで説明すると、

規制緩和により価格は下がり(デフレになり)

参入規制をかけることで価格を上昇させることが出来る

さらにタクシーにおいては、それが直接労働者の賃金上昇につながる

別に値上げを正当化するわけではないが、

注:基本的にタクシーの値上げには反対です

この手法(参入規制)をうまく利用すれば、通過量をむやみに増やすことなく、経済成長を促すことが出来る

この場合は少子化でさえ追い風となる

阿倍さんに教えてあげたい(早く日報書け)

…21日からの4月第4週は、

24(水)25(木)26(金)27(土)

4連休のあとの4連勤

4月24日(水) 日照0 気温15.9~10.5 雨15.0
営収 27,680(12,640) 14(9)回 12.25+-0(7.00)時間
Max 3,270-10,550

朝から雨が降ったこの日は、

昼間の動きはそれほど悪くなく、

午後には、近隣の大学に客員教授として来られている、ニューヨークにある有名な国債期間…(10年固定か)、もとい…国際機関の職員の方が乗られた

毎年帰国するたびにその大学で教鞭を取られるので、顔見知りになっていて、

「あぁ!どうも運転手さん、元気そうですね」

「おかげさまで」

「なんか(駅前に)美味しいお店出来ましたか?」

みたいな感じで、

「それにしてもボストン(マラソン)のテロ、物騒ですね」

「そうですね…こんなところ(日本)に居たら怒られそうです」

「そう言えば、(アメリカ時間の)昨日もあったらしいですね」

「え?なにかあったんですか?」

「あぁ…オバマさんがテロで負傷したっていうデマがツイッターに流れたらしいですよ」

「そうなんですか…」

少し顔色を変えてゴソゴソ携帯をいじり始めた。

先生、タクシー乗って良かったですね(お前の情報はツイッターより怪しい)

夜は相変わらず動き悪かったけど、

最後にあたって助かった。

4月25日(木)A 日照11.3 気温21.4~4.8
営収 37,800(15,550) 15(7)回 11.25+0.25(5.00)時間
Max 3,350-15,590

この日はよく晴れて気温も上がって、

久々にじっくりワックスがけをした。

昼間はそれほど悪くなく、

アオタン前までに14回22点(都市ドラ気取りで「アオタン」とか言うな)

しかし、

これからという22時からピタッと止まり…

このまま終わるかと思われたA駅の終電で遠方

これも助かったことは助かったが、

こういう展開(最後に一発)はあまり好きではない。

4月26日(金) 日照8.2 気温18.1~6.1 雨6.5
営収 33,090(10,130) 22(8)回 10.25+0.25(5.25)時間
Max 1,590-3,990

連休前の金曜日は

午後(15時過ぎ)にヒョウが降るような変な天気

昼間の動きはイマイチやったものの、

夜はよく動いたわ

ロングはなかったものの、

回数稼ぎ(22回)の戦いは乗ってて楽しい。

4月27日(土) 日照7.0 気温18.4~3.5
営収 20,250(8,260) 10(5)回 9.25+0.25(5.75)時間
Max 2,310-4,710

連休前の戦いは、

苦しみながらも金曜は回数出来たし、

この日もまあイージーに作れそうやと

甘くみていた…

昼過ぎの出勤で、余裕かましてオイル交換やら点検やらしていて、

入ったのは14時過ぎ、

しかしまたデッドな状況で、

おかしいおかしいと思いながら終電前にトイレに行きたくなって、

公園に寄って…順番が狂った

25時前に乗ってきたのは、かなりメタボな、見た目50代の男性

「XXハイツ(市営住宅)まで」

「わかりました」

後部座席では、

ハァハァ、ゼェゼェ、太っている人特有の荒い息遣いが聞こえる。

目的地に着いて、

「(ハイツの)駐車場まで入ります?」

「え?…ここやなくて…あっちのXX(企業)の社宅なんやけど」

「はい???(さっきここや言うたやん)…あぁ、わかりました」

終電で客の並ぶ時間帯、

あれこれ言ってる暇はないが、

それにしても…

その社宅のエントランスにつけて、

「こちらでよろしいですか?」

「はい…あぁ、ここでいいわ」

「1,590円です」

「ちょっと待ってな…」

小銭を探し出す

ガサゴソ、ガサゴソ…

ガサゴソ、ガサゴソ…

出て来ない。

「ごめんな、ちょっとないから金取ってくるわ」

「…わかりました」

得意先の大企業である。

「カバン置いていってください」とか、「(マンションの部屋の前まで)着いていきます」

なんて、言いにくい雰囲気やった。

そして、帰ってこなかった…(乗り逃げか…)

最悪の終わりやったなぁ

でも学んだわ。

金持たずにタクシー乗る方が悪いんやから、もっと厳しく対応すべきやった。

4乗務合計 118,820(1乗務平均29,765)

連休前の数字としては、

かなり厳しいものとなってしまった。

2013年4月28日日曜日

「浮気です」


昨日の無線配車

21時過ぎかな、H駅で待っていたのは40前後の男性やった。 

「この辺にレオパレスってあります?」

レオパレスといえば、

タクシーでは、よく送る場所のひとつである

企業の短期の出張や、出向みたいな場合に利用されることが多いようで、

そういう場合、車もないし、

交通費も大抵会社持ちやったりするので、タクシーを利用しやすいのである。

しかし、この場合はちょっと違ったようである。

「・・・ありますけど。一応なんか資料あります?」

最寄のレオパレスはぱっと頭に浮かんだが、

間違えてはいけないので、一応住所確認する。

「どのくらいかかります?」

タクシーでこういう質問をする場合、

大抵は時間のことを聞いているのだが、

運転手の勘で、この場合は「金額」を聞いているのだと判断した。

「近いですよ。千円以内ではいけるはずです」

「良かった・・・あんまり金持ってないんで」

予想通り、なんか訳ありの様子である。

同年代で、なんとなく話やすそうやし、

突っ込んでみるか。

「なんかあったんですか?」

運転手からのこの質問は、

当然気軽にして良いものではないが、

中には話したい客もいるもので、

雰囲気を読んで、することがある。

「いや、実はさっき家を出てきたところなんですよ」

「・・・『家を出てきた』というのは、『行ってきまーす!』という感じではないですよね」

ちょっとディープな空気になりそうやったので、

アホっぽく対応してみた(場合によっては切れるで)

「かみさんに追い出されまして・・・」

「追い出された?」

「いろいろあったんですけど・・・わたしが、仕事の方ばかりに目が行ってしまって・・・」

ここまでの会話で、俺の頭のスーパーコンピューターが高速で動き始めた。

キーワードを整理していく。

①「追い出された」

②「いろいろあった」

③「仕事ばかり」

・・・

①からわかることは、

奥さんの浮気ではない。

飛んで、

③からわかることは、

仕事に夢中になって、別れることはあるかもしれないが、

その場合は、いろんな話し合いが持たれるやろうし、

着の身着のままで追い出されて、

レオパレスに飛び込むようなことはないやろう。

そこで、浮かびあがってくるのが、

②「いろいろあった」

これやろね。

「大変でしたね・・・いろいろある時期ですもんね」

「・・・はい」
 
もう一つ引き出すために、思い切ってぐっと持ち上げてみる。

「もてそうですもんね」


「・・・いや、そんなことは・・・子どもはかわいいんですけど」

出た出た、

支離滅裂な回答

「子どもはかわいいけど」

ここから引き出されるのは、

「奥さんはかわいくない」

来たね来たねー(お前何者や)

「新入社員の娘ですか?」

「はい?・・・えぇ、まあ・・・と言っても、そんなに若い娘やなくて、中途採用の・・・」

「本気やったんすか?」

「・・・いえ、浮気です」

このとき男性は、ふっ切れたような、なんとも言えない良い笑顔を見せた(美談にすんなよ)。

「大変でしたね」

「もう今までも何度かありましたから、もうダメです。もういいんです。幸いあいつ(嫁)も働いてて、金には困ってませんから」

「お子さんおいくつなんですか?」

「小6と小3です。もう会えませんけど」

「そんな・・・会いに行ったらいいやないですか。子どもはまた別の話でしょう」

レオパレスに着いた。

男性は、その小さな建物を見つめながら、

微笑んだ。

「いいんです。ここから、また新しい人生を始めようと思います」

な、なんか、話きれいになってきよるぞ。

レオパレスにそんな「始まり」のイメージなかったんやけど。

「ありがとうございます。710円になります」

「こちらこそありがとうございます。話してちょっとすっきりしました」

「いえ・・・そんな、でもお子さんには会いに行ってあげてくださいね。お子さんのお父さんは一人だけですから」
 

2013年4月26日金曜日

4月第3週の乗務日報~4乗務117点


ソメイヨシノは散り去っても、

山を走ると、未だ山桜がちらほら咲いている

4月に入っての悪い流れは、

どうやら一時的なものではなさそう・・・

なんていう、根拠はないが、

それなりに経験から来る勘のようなものが、

確信に変わりつつある今日この頃

第3週の乗務は、

15月16火 18木19金

オートバックス・・・やなくて、オーソドックスな4乗務(突っ込む気にもならんわ)

4月15日(月)A 日照9.6 気温19.9~8.0
営収 29,970(18,600) 13(7)回 11.50(6.00)時間
MAX 5,980-5,480

晴れて気温も上がった月曜日

この日も当番勤務で、

年下の新人さんとコンビを組んで仕事をした

やはり年配者の多い職場なので、

若い人に入って来てほしいとは願っているが・・・

まあ、こういう仕事やから、

それなりの年齢(50~60代)で入ってくる人って、

職場の人間関係に疲れたとか、

争いに敗れたとか、

何かと、「わけあり」やったりして、

入ってきて数ヶ月は車の中に閉じこもって、

出て来ない

なんていうパターンが一般的なんやけど、

ある程度若い人は、

そこまで引きずってなかったり、

今度こそしっかり人間関係築こう

みたいな感じで、

どんどん外に出てくる傾向にある

それは、考えようによっては前向きな姿勢で、悪くはないのかもしれないが、

「さっきすみませーん!あれで良かったですか?」

「・・・なんか今日いい感じです」

「もう3日もかみさんと口きいてないんですよ」

「あっ、無線だ。お先失礼しまーす!」

「実はぼく、話せば暗いくらーい過去があるんですよ」

うるさい、うっざい

うるさーい!!!

聞かんでも分かる

お前の過去は大して暗くない

車に乗って、本でも読めー!

先輩も後輩もない

気を使わんでいいんですよ

それがタクシーの良いところなんやから、

あいさつは大事やけどね

まあ、そんな感じで、昼間はよく動いたが、

夜が全く伸びず

消化不良の乗務やった。

4月16日(火) 日照9.3 気温24.9~6.3
営収 19,300(10,130) 13(8)回 11.25(6.00)時間
MAX 2,230-3,670

夏日寸前まで気温上がったんやね

天気は良くても、

動きは悪く・・・

特に夜が悪いなぁ

晩飯休憩終えて、

20時過ぎに駅入って、

乗せたのが2時間後の22時過ぎ・・・

その次がまた1時間半まって、24時前

夜が悪いわ

何事もなく2万切れ・・・

4月18日(木) 日照11.2 気温24.1~7.2
営収 25,730(12,630) 18(10)回 11.25+0.25(6.00)時間
MAX 3,750-4,550

また良く晴れた木曜日

昼間は単価低いなりに、

そこそこ回数稼げたものの、

やっぱり夜が悪い

昼間の病院通いなんかは、

あまり景気の影響を受けないが、

夜の帰宅利用は、景気の影響大きいんよね

要するに今は人が動いてない

4月19日(金)A 日照10.7 気温13.0~3.3
営収 42,400(12,800) 20(8)回 10.75+1.00(5.25)時間
MAX 2,230-9,510

前半は昼前に出たものの、

13時過ぎまで乗車なく

やばいかなと思ったが、

そこから回数稼いで、

夜はここのところの流れを引き継いで、

20~22時すっぽり空いてしまったが、

23時過ぎから走りっぱなしで、

最終に遠方

良い締め日やった。

4乗務合計 117,400 (1乗務平均29,350)

平均30点切ってしまったか・・・

それでも悪い中で、

よく粘ったなという印象やけど、

ちょっと苦しい戦い続きそうやな。

2013年4月19日金曜日

タクシーの神様

「タクシーの神様」

タクシーに乗っていたら、

そんなアホみたいな言葉を聞くことがあるだろう。

これは別にタクシーをピカピカに磨いたら女神さまみたいにきれいになれるとか、そういう話ではない(ふる・・・)

そう、あれは先週の話だが、(何故かおばあちゃんと暮らしてたのか?)

その日は、ほんまにひどくて、

今月(4月)に入ってから、

ぐっと動きが悪くなった感じはあったが、

それにしてもひどいやろ

みたいな。

昼間は5時間半で4回4千円

これ時給にしたら、300円くらい

しかも14時半から18時まで3時間半仕事なし

夜になっても流れが悪くて

22時頃にあたった無線が、やっと2千円コース

「ありがとうございます。2,390円です」

「はい・・・それじゃ、2,500円で」

「110円のお返しですね。どうもありがとうございます。お疲れさまです」

ふー・・・と一息ついて、

信号待ちで、その千円札2枚を背広の内ポケットに入れようとしたら、

1枚が5千円札やった

4千円余分にもらっている。

一瞬考えた

状況的にチップということはありえないが、

家の前で降りたわけでもないし、

返しようがない

やっと動き出す時間帯

もう(放っといても)いいかな

悪魔のささやきが聞こえた。


「こんなひどい日なんやから、儲けも少ないやろ。もらっとき。悪い中で我慢してたご褒美や。早く駅帰って次の客乗せや」

 ・・・

気付いたらユーターンしていた

そうか、無線配車やった。

基地(無線室)に電話を入れる。

「すんません。さっきの無線配車のお客さんの電話番号教えてもらっていいですか?」

「あんた・・・こんな時間(22時過ぎ)に電話かける気か?」

「ちょっと、どうしても連絡しなきゃいけないことがあるんで

携帯番号を教えてもらって、かけてみるが

出ない

風呂でも入ってるんやろか。

しかし無線配車なので、一応名前は聞いている。

クロダさんやったな

入り組んだ住宅街の中、

しかもまさかこんなこと(金を返しに行く)なんて思っていないので、

客がどこで降りたのか、しっかり記憶していない。

それでも、その周辺を表札を見ながらグルグル回っていた

そんなに多い名前ではない。

10分ほどかかって、やっと見つけた

インターホンを押す。

「夜分遅くすみません。XX交通の運転手です。先ほどご主人がタクシーで帰宅されたと思うんですが・・・」

奥さんが表に出てくる。

「ちょっと代金を余分に頂いてしまったみたいなんで、お返しに伺ったんですが」

奥さん、きょとんとして突っ立っている。

後からご主人が出てきた

間違いなく、さっきの客であった。

「あぁ!先ほどはどうも。お支払いの際に(千円札と)間違えて5千円札を出されたみたいなんですね。4千円余分に頂いてしまったんで、お返しに伺ったんです」

呆然としている客に4千円を渡した。

「あぁ・・・これは・・・どうも」

「遅くにすみませんでした。どうもありがとうございました!」

反応から察するに、返さずとも恐らくあの客は余分に支払いをしたことに気付いていなかっただろう。

俺に対する感謝の気持ちよりも、

こいつアホやな(黙ってたらわからへんのに)

みたいな感情の方が強かったかもしれない。

でも、これでいいんや

俺は何かに勝利したような優越感に浸っていた

駅に帰ると、すでに流れは止まり、

またどっぷり悪い流れにはまって1時間以上待たされた。

24時回って、10時間近く働いて売上8千円

ありえへん数字やったが、

1万円で終わってもいい。

俺は自分に勝った

もうこの後どんな悪い結果になろうと、

今日の俺は最高だ

駅の先頭で俺は軽い笑みを浮かべていた(きも・・・)

そして待って待って乗ってきた客

50前後のサラリーマンやろか

「油坂行ってくれる」

「・・・あぶらざか・・・ですか?」

「油坂の交差点・・・知らへんの?」

「・・・はい、申しわけありません」

「近鉄奈良の近く」

「・・・なら・・・ですか?」、


こんなことあるんやね。


「タクシーの神様」ってほんまにいるんですよ